ながる

とある年の二月十五日。バレンタインデーを戦果なしで終えた、小学生ダイキとシンタロウの二人は、ありったけのお小遣いを手に校区内の駄菓子屋を制覇せんものと意気上がっていた――

高校二年生、空賀昴(くがすばる)は惚れっぽく、キラキラ王子様系イケメンに一目惚れしては短時間でフラれる、ということを繰り返していた。そしてその度に同級生、大木麦人(おおきむぎと)…

KAC20242の２本目。 心霊現象の起きる事故物件を紹介する不動産スタッフの男の日常業務です。 長編『ゴーストハウス・スイーパーズ』の前日譚。

三年前、世界中に隕石が飛来した。飛来した隕石に乗り込んでいたのは人語を解する蟻――自分たちを〈天上蟻〉と称する巨大な蟻であった。 しかし蟻たちは人間に「あること」を伝えて全て息絶…

2025年8月、高校2年生の上穂木 陸は100年後の未来にタイムスリップしてしまう。 日比谷だと言われたその場所は、巨大な白い壁が囲む要塞のような黒い都市だった。 未来では、わ…

※こちらは拙作『ノーリグレットチョイス』https://kakuyomu.jp/works/16817139558809109616 の番外編です。 KACのお題に合わせた短編を…

底辺冒険者のマルテは、街を襲ったドラゴンから子供を庇った時、王国筆頭魔法使いアウレーリア・アルキミスタと出会う。 世界は邪神となった女神により滅びに瀕している。 それを誰よりも…

人も獣も草木も、すべてが寝入ってしまったような、山間の静かな小さい集落で、十六の冬、イチカは初めて冬当番を任された。日付が冬至に替わる刻、イチカは神域となる滝へ向かう。

魔法学校に入学した私は、今までの生活との変化に戸惑っていた。入学時にもらった羽根ペンを折ってしまった私に、親切なクラスメイトが声をかけてくれるが……。 ※このお話は短編『首輪つ…

人類を脅かす「進化適合者（アダプター）」に対抗するために組織された治安維持部隊ANGEL。 彼らは特殊装備「フェザー」を纏い、十秒間だけ超越的な力を解放する「オーバードライブ」を…

　絶滅危惧種となった竜が生き延びるため人間に擬態して町に紛れ込むようになった時代―― 　人間の肉の味を覚えた一部の竜達を倒すために組織された《ドラゴンハンターズ・カンパニー》には…

カプリッチ：カプリッチョの複数形。気まぐれの意。奇想曲、奇想画を示すこともある。

　お題『羽』で書いた短編です。 　描きたい光景を書きまくりました。

カクヨムコン10「お題で執筆!! 短編創作フェス」、お題『10』参加作。 『なごや幻影奇想シリーズ』スピンオフ。（シリーズ未読でも問題なくお読みいただけます） ふしぎなアンソロ寄…

春先のつれづれを短歌に詠んでみました。でもそれだけでは文字数が足りないので、エッセイもつけてあります。不定期更新。 「なろう」にも掲載あり

帰省した地元の街で聞かされる、耳慣れないフキちゃんの名前。彼岸の季節、落ち着かない地元のお話です。

奇怪な骨の大蛇に追われていた大翔を助けたのは喋る蛇で、しかも妹を自称していた。

　お題「骨」で書きました。 　TRPG風に書いた作品です。

深い洞穴で、山を築く子どもがいた。ひとりで山を積み上げる子どもの前に、黒い出で立ちの男の人が現れて……。

マカロンはお好きですか？　いただき物のマカロンを巡って、我が家のおばかなエピソードです。「なろう」にも掲載あり。

骨がない姉について

恋人が死んでから忙しく働いてまともに生活してない透子のところに、ある日「人間の骨一式」が届く。その骨は動き出して、死んだ恋人「悠成」だと名乗るのだった。 ホラーっぽい要素はあり…

花贈りの日――それは、大切なひとに花を贈り、愛や感謝を伝えるための風習だ。

カクヨムコンテスト10【短編】部門 お題「試験」 ちょっと不思議な日常短編です。 模試って、本番並みに緊張しますよね？

ホテルものを一度書いてみたかったので、短編創作フェスを連作掌編で消化しようかと思います。 海の見えるひなびたホテルが舞台です。 5話目です。

現代和風ファンタジーラブコメ。 化け物に襲われたその日、助けに現れたのは、なんとイケメン神様！？ 「お前は俺の嫁だ」と宣言されて、いきなり始まった神様との同居。平凡だった日常は大…

フォルモントの王城の地下には蟲が住んでいる。 何のことはない、マガネが悠々自適にそこで生活をしているだけである。 ところがある日、彼女のところに求婚者が現れた。リスイと名乗るその…

帰り道を急いでいた僕に突然降りかかってきた災難。でもそれは、彼女と出会うきっかけを呼び寄せた。 明治時代後期を背景にした、可愛い浪漫譚です。 男性視点。 「お題で執筆!! 短…

スティクセン王国最強の騎士ランドールは、王妃との姦通の罪――つまり不倫によって処刑された。 彼に救われたことのある少女メモリアは、ランドールがそんなことするはずはないと不倫の罪…

音が色で見える共感覚を持った主人公はある日、動画サイトで薔薇色の歌声に出会う。 けれどその歌声の持ち主はもう一年も新しい動画をアップしていない。

江戸時代のもっとも有名な怪談である『死霊解脱物語聞書』 だが本当はこんなことがあったのだ、というお話

ある夏の日、蒼樹朗は私のもとに転がり込んできた。季節は過ぎ、雪の降る日。胸騒ぎに急いで帰宅すると、蒼樹朗は帰ると言い出して……。

ホテルものを一度書いてみたかったので、短編創作フェスを連作掌編で消化しようかと思います。 海の見えるひなびたホテルが舞台です。 4話目です。

目覚めると、公園のベンチに座っていた。自分の名前も、帰る場所も思い出せない。そんな彼のもとに届いたのは、「帰ってきて」という知らない相手からのメッセージだった。

人血アレルギーの女吸血鬼セラフィーナ・クーラリース・テッサリアは、旅をしながら同族の血を飲むことで生きていた。 そんな彼女は日本の鹿児島に渡ってきたのだが、そこは吸血鬼出現以降の…

　彼女は背が高い。僕よりもずっと。背の高い彼女と背の低い僕のふたりが並ぶ姿は、周囲から見ると奇妙に映るかもしれない。いや、今は多様性の時代なんて言われているから、意外と容認してく…

祖父の農場を引き継ぐため奮闘するリーナ。村では余所者としてなかなか受け入れてもらえない。それでもリーナはめげない。精霊たちに力を借りながら頑張っている。そして時々どこからか、リー…

　明智　在吾（あけち　あるご）は学校に侵入してきた三人の不良を喧嘩でボコした。その後、突如としてグラウンドに怪物が現れる。友達と共に逃げていたが、対峙する教師とのびた不良を助ける…

僕の家は、２０時に家族みんなで2階へあがり、階段をたたんでしまう。 どこの家もそうだと思っていた。 ある日、お爺さんが亡くなった友人の家では、誰か一人を交代で泊め続ける事になった…

どこかにあるかもしれない「つま先で踊る」文化の話。 その踊りのワンシーンです。

あまり接点のないクラスメイトの黒川に、付き合って下さいと言われた俺。『命令』されたからだという黒川は、俺の言うことをなんでも聞いて……。

惑星アルゴノーツで起こった5年前の事故。唯一の生き残りであるコウ・アマガイのもとに、次の相棒として到着したのはアンドロイドの監査官、ルール・オーラクルムだった。深海6000m――…

※このお話は、やまち.S様の企画で作っていただいたアクセサリーに、インスピレーションを受けて書いた作品になります。 『ハンドメイドと読書録〜自称関係性萌えソムリエなモチーフアク…

風の吹きすさぶ冬の寒い日 お昼寝しているご主人様を起こさないように あたしは動いていたんだけど…… 飼い猫、ディアナ視点です 「お題で執筆!! 短編創作フェス③」 第3回目お…

膨大な魔力を見込まれて聖女候補として王都の大聖堂で「田舎者」と馬鹿にされながら暮らしていたフユハ。けれどいつまで経っても魔法が発現せずに、ついに追い出されて故郷に帰ることになった…

国語の教科書に長年載り続ける物語たち。子供の教科書を借り、かつて学んだ名作を読み直しました。 教科書の版元は光村図書さんですが、各作品のストーリーの要約も書いておりますので、違…

サイバーホラー短編。一見よくあるチェーンメール、そこに潜む「本物の呪い」とは。 引き籠もりハッカーの霧山真直（きりやま・ますぐ）は、オカルト雑誌編集者の西園寺護（さいおんじ・ま…

フーア国立歌劇場の専属歌手をクビになったコカは、やけ酒をしようと訪れた酒場で自分よりもさらに陰気な男ウルメザに出会った。 彼は、コカが生まれる少し前にあった〈聖なる星降りの夜〉に…