森悠希

何もかもうまく行かない中学二年生の林ピアノは、母の書店が大嫌いだ。 ピアノは父が経営していたころの混沌とした本屋が大好きだった。それなのに母は、父が亡くなった途端海外文学に特化し…

友人から突然届いた万引き宣言。慌てて家を飛び出した僕。

KAC2022第六回のお題「焼き鳥」の投稿作品です。 ロボットのセオ。焼き鳥。そして……。

とある骨董品店。 商品たちは人間が寝静まった夜に盛り上がる。

高校二年生のゆかりは、おばあちゃんが大好き。 おばあちゃんは毎朝５時に起きて家族のためにおにぎりを作ってくれる。おにぎりの中身は完全にランダムで、お昼休みの楽しみだ。 だが、ある…

軽い気持ちで受診した病院で、余命宣告を受けた。 だから僕は一日だけ、君と恋人になった。

小さな骨董屋で見つけた変わった壺。『復活の壺』と言う名のそれは、持つ者に永遠の命を与えてくれるらしい。そして手に入れた俺の運命は……はたして！？

産業革命後に、天界種、翼族種、角族種、森林種などの亜人種が突如現れたイギリス。その街の一角に、どこか懐かしさを感じる黒の薬店が存在する。師匠エニフから貰った「お前は皆の南十字星だ…

一分で読める。いやそれは人による。 私は読むのに一分半かかった。

学校ではクラスメイトのいじめを受け、家へ帰っても自分を待っていてくれる家族などいない高校1年の男子。 もう全てを投げ出してしまいたい。そう思いかけた彼を、風変わりな若い男が引き止…

人生の最後にあらわれる者の名は死神。 ある者の目を通じて一つの家族の人生が語られる。 彼は忘れない。彼を優しく抱き上げたその固い手のことを。

気が付くと俺は、この世ならざる場所にいた。 別に驚きはしない。大事なのは順応だ。 唯一意外だったのは、三途の川の手前に一軒の屋台が佇んでいることだった。

「今晩あたり、狐が降るかとおもって」 工場に勤めて漫然と日常を過ごす《僕》は、寂れた峠にひとりたたずむ女を見掛けて、おもわず声を掛ける。 彼女はひとつに結わえた髪を揺らし、振りか…