アステールの東の果てに聳える山々の一つ、カムラナムタの中腹に隠るカムラナの民のもとに、不吉が迫っていた。いち早く危険に気付いた青年ヤノは、仲間とともに村に迫る脅威に立ち向かう。し…

ゆあん様ご企画「筆致は物語を超えるか【葉桜の君に】」参加作品です。 （https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054895319694） …

　祭りに行こう。 　友人に誘われて、気合を入れて浴衣を着てきた梨沙だったが、まさかの友人は蒼色無地の地味な浴衣でやってきた。 　町一番といっても過言ではない美少女がいったい何故？…

　仕事で宇宙ステーションに行くことになった父についていくケイラは、シャトルの中にいた。手には携帯端末。友人に別れのメールを送る。シャトルは今、離陸のときを迎えようとしていた。 …

　クロメルは興奮を抑えきれなかった。目の前にただ一人立つ狼少年は、バトルロイヤルの優勝者。そしてクロメルの〝狩り〟の対象者だ。 　戦いに渇いたクロメルに、狼少年の死を乗せた爪が迫…

　大学の学園祭で出す文芸誌の原稿に悩む〝私〟は、図書館でパソコン画面に向き合っていた。とりあえず文章を連ねてみるが、話は一向に固まらない。悩む〝私〟の前に現れる〝先輩〟。そのヒト…

　帝都の地下に広がる地下迷宮。そこに向かう電車の中で、刹那は少女と二人きりだった。 　彼女――美晴は、友人だった。彼女が抜け駆けして地下迷宮へと赴いた、あのときまでは。 　KA…

　旅の途中に立ち寄った波打ち際で、アリィは海を睨みつけた。探しているのは、ペンギン。本物のペンギンが見たかった。けれど、この海には居なかった。 　見てどうするのか、と旅の仲間は問…

　兄が亡くなった。交通事故だった。 　燃やされて骨になり、名前も変えられた兄。残ったのは、左側がひしゃげた眼鏡だけだった。 　KAC20248参加作。お題は「眼鏡」 『頭上に回…

　まだ少年の時分のこと。 　両親と三人で建売住宅に住んでいた〝僕〟は、使われている様子のない屋根裏部屋が気になっていた。 　ある日、両親が出掛けたとき。〝僕〟は閉ざされた屋根裏部…

　魔女のアリソンは立ち上がる。来たるハロウィンに向けて、お化けの仲間を集めようと。 　黒猫とヒヨコを引き連れて、アリソンはお化け探しの旅に出る。 　X（Twitter）で企画さ…

　板野かも様主催の「#匿名キャラお見合い企画」で執筆した作品を集めました。 　多種多様なキャラクターたちが織りなす、恋の一幕の短編集。 　一部作品は、企画提出版と完全版の両方を掲…

　ユイが越してきた村では、年に一度独自の神事があるという。主役となるのは、十〜十五歳の少年少女。彼らは弓や銃を携えて、夜の杜へと入り込む。 〈神狩〉と呼ばれるその神事。狙いは、そ…