主人公がタイムマシンで過去へ行き、自分が生まれる前の時期に親を殺したら、主人公は誕生しなくなり、親殺しもできなくなります。
親殺しをできなくなったから、主人公はやはり生まれることになり、タイムマシンで親を殺すことができるようになります。
でも親を殺した瞬間に、主人公は存在できなくなり……。
タイムパラドックスとは、このようなものだと認識しています。
この矛盾を解決する理論をつくり出し、物語に落とし込むことができれば、時間SF小説を書くことができます。
数々の理論や理屈が生み出され、多くの時間SFが書かれてきました。
私もなんとか時間SFを書きたいと思い、いろいろと理屈をこねたりしたことがありますが、なかなかよいアイデアは出ません。
出たとしても、既存作に似ていたりします。
時間……。
果たして、将来タイムマシンは発明されるのでしょうか?
もし発明されるのだとしたら、すでに未来人が過去に来ていなければおかしいとは思いませんか?
しかし、我々は未来人を見ていません。
それゆえ、タイムマシンは原理的にあり得ないのではないか、と思ったりします。
もしかしたら未来人は過去へ来ているが、過去改変をした瞬間に新たな世界線が生まれるので、我々は過去改変がされたことを意識できない、という可能性もあります。
ややこしい……。
時間SFは、真に面倒な分野なのであります。