中国で突然のゼロコロ政策の大幅な緩和(方向転換)によって、現在、中国国内が大混乱しているようです。感染が急拡大していて、本来の意図であった「民間人が自主的に賢明かつ合理的な行動を採用する事により、抑制された感染下での経済活動の復興」〜要するにタダの風邪もしくはインフルエンザの一つ程度に新コロを繰り込む…という習近平政権の思惑からかなりズレた方向に向かいつつあるようです。
要するに2年前の我々と同じ状況が発生してるみたいです。医療体制の刷新ができないまま新コロが緩和によって急拡大。医療崩壊に至り老人を中心に多数の死者が出て社会が恐怖で混乱し、本来、活動を期待されていた人たちも外出しなくなり街は閑散としたまま。パニックによって衣料品やらモモの缶詰やらが品薄になるなどの生活混乱に加え、産業力の復活もままならず生活苦だけが増幅し、これがますます不安と不信を招く…という悪循環です。
ワイ的には今までいってきたようにPCR検査など役にはたたない…のだから辞めたことは正解にしても(こんなのに40兆円も使っていた模様)、しかし医療関係者や新コロの疑いのある人たちに適切にPCR検査能力を「資源配分」できないというのはやはり問題(とはいえ、日本でも出来てはいないのですが…)。医療体制が細いままなので超過死亡が激増するのも社会混乱を招く愚策(とはいえ、これまた日本も同じ状況なので中国を嗤うことは出来ませんが…)。
ということは、結局、中国も「日本になるか、アメリカになるか?」の選択しかないということです。日本は2022/12/21時点で人口約1.2億人に対して新コロの死者53,730人。米国は人口約3.6億人に対して新コロの死者1,113,808人となってます(Worldometer)。
新コロを主死因とした60歳未満の死亡率がおよそ0.001%・他方60歳以上の死亡率が約0.29%(日本における統計。西浦博資料)という、老齢人口の死亡率が実に290倍の新コロで、全人口の1/8が65歳以上の世界最高の高齢化日本が死者約54,000人に抑え込んでいる事を「ヨシ」とみなすか、それとも実数が悪すぎると見るか? また日本の人口の三倍程度で死者数が約20倍の米国を良くないと見るか、それでもごく普通に経済成長を続けている米国の方が正解と見るか?…などは皆さんにおまかせするにしても、結局、もう中国も「こうなる」しかないのだろうと思います。
人口構成などが全然違うので意味がないかもしれませんが、人口約14億人に当てはめれば良くて63万人・最悪なら430万人が中国で今後三年の間に死ぬ…という事になります。医療体制や医療環境、その他の環境要因を雑に見渡せば中国と日米との間に大きな違いはなく、抱えている問題の本質も似たようなものなので、この大きな数字は結構リアリティはありそうです。
政治的に極めて難しい局面に立たされそうですね→習近平さん
多数の死者発生による人心の混乱だけでなく、国民との対話能力(フォワードガイダンス)不足による政府への不信感の高まりとか、経済回復の困難さ。加えて官民の多額の累積債務問題の顕在化など問題は山積みです。どうするのかはわかりませんが、今後、東アジアは中国中心に国内外で政治経済外交軍事で大荒れの可能性も出てきましたね。
習近平さんのところは、どうも習さんの独裁国家とは程遠い、極めて複雑で混乱した政争の地であり、その事が逆に合理的な政策判断と実行を阻害しているような話を聞いています。一元的に習近平さんの言うことを聞くだけのように見えていても、実際には政敵との政治闘争のために柔軟な政策運営ができなくなりつつある…という事です。中国の歴史ではよくあった中央vs地方の対立の構図の変形版なのかもしれません。
ワイも習近平さんはアドルフヒトラーさんのような極めて完成度の高い独裁者とか考えていません。毛沢東により近いのではないかと思われ、毛さんも政治闘争の中で自己権力の強大化を図るしか無く、結果、大きく迷走し暴走した挙句に中国に厳しい破局をもたらした…と考えているので、現在の中国でもそうならないといいなあ、とは思うのです。我々にとっても大きな不安定要因ですからね。
習近平さん、軍事力強化に邁進してる場合じゃないと思うんですがね?
てか、習近平さん本人は意外と軍拡とか対外紛争激化とかは辞めたいとか弱気な事を考えてるのかもしれませんけどね…
わかりませんけどね。さしあたり、中国は医療体制が極めて脆弱なので、軍事力の強化よりも医療関係の強化の方を優先すべきと思います。失敗すれば自分の首が危なくなるのですから…