最近、台湾有事が話題に出てくることが結構あります。ソースが米国政府系の情報ということと、ウクライナ紛争における米国シンクタンクおよびバイデン政権の情報戦略の精度の高さは「まさかの開戦」というのを警告し続けたという「大正解」から察ると、台湾有事に関して7つ程度の(中国による)台湾侵攻計画があるという話も「ありえる」という深刻さを感じます。
ワイ的には「ありえない」とは思うものの、万が一に中共による台湾武力侵攻が発生した場合、ほぼ間違いなく中共に対して経済制裁を加えると思われます。今回のロシア程度の内容になる可能性がありますが、その時に最も打撃を受けるのは「日本」です。
日本は対中直接投資だけで40-50兆円ちかくあるとされ、これは大企業から中小企業までの中国国内にある工場などの有形の資産の他に、企業から個人までの幅広い投資+知的財産が含まれます。この他にGPIFなどの政府系、またミセス・ワタナベのような個人投資家による中国投資(内藤証券さん、頑張ってますね…爆死)まで含めれば70兆円前後の規模になっていてもおかしくはないということです。そして中国に対して最も多額の投資を行っているのが日本だろうと思われます。
この他にも、30万人程度の日本人が中国に常在し、逆に中国人は日本に90万人程度はいるとされています。貿易においても30兆円規模のやり取りがあるだけでなく、大陸+香港の合算値計算をすると毎年、日本の方が一兆円ちかい黒字を出しています(2019年までの統計)。インバウンド収入も新コロ前は大きく、外国人観光旅行客の1/4が中国人で、彼らの日本での消費額は4兆円を超える規模でした。これは当時のハイテク製品の対外輸出総額に相当するほど大きいもので、これだけの規模をもつ国は他にありません。中国から脱出する…も、中国の市場規模と影響力を考えれば「不可能」なわけで、不可能だからこそ反日暴動があったにも関らず(この時、多くの資産が実際に焼かれた)投資を続けているわけです。逃げられないだけでなく、逃げ出す気もないということです。
ここで台湾有事が発生し対露制裁とほぼ同じ程度の全面制裁を加えた場合、在中資産の多くが失われるか機能不全に陥り、経済的な大打撃が出る可能性が大です。東日本大震災の損害額が17兆円超という事を考えると、3.11数回分の大打撃を受けるリスクがあるということであり、なにより対中制裁から日本が逃げる事も出来ないということです。
ウクライナ紛争におけるドイツは、エネルギー不足によるGDPの急減速と高インフレを覚悟してでも対露制裁を続ける気概と覚悟を示しています。恐らくカネのためにロシアにすり寄る…ということはしないと思われます。なら台湾有事で中国封鎖という事態になった時、日本も「ドイツが示した正義を示すべき」と迫られた時、逃げ場がなくなるということです。ちなみに現在の段階でドイツは約30兆円近い損失が出ることを覚悟しているという経済シンクタンクの試算があります。ドイツGDPの実に8%に近い損害額を甘受しているのがドイツということです。
「同じ犠牲を払え」…とドイツが言ってきた時、拒否は出来ないのではないかということです(๑¯ω¯๑)
なら、もはや台湾有事は日本有事であって避けねばなりません。日中修好50周年だそうですが、この点について忌憚なく話し合い(つまりこちらから詰め寄れ)軍事的オプションは使わせないという方向に習近平政権および中国共産党をもっていかないとワイらの方が先に死ぬ可能性が大ということです。
今日のドイツは地獄です。来年はさらに酷い地獄になるでしょう。ロシアに頼りすぎたからです。
もし日本が中国に頼りすぎているというのなら、台湾有事の際、地獄を見ることは必至です。
経済制裁は圧倒的な効果があり、この効果によりロシア侵略が砕かれた事を考えれば「使わない手はない」手段です。しかし返り血を浴びる事も判っています。ドイツのように、です。
習近平さんが、中国を世界のリーダーにしたいのなら、そのための多くの責任があると思うんですが、どうするつもりなんでしょうね?