ウクライナ問題でノルド・ストリーム2を調べ直したのですが、まあ、暗黒面が出てくるわ出てくるわ…(呆れ
今の段階で判ったことはノルド・ストリーム2に少なくとも1.5兆円ものカネがかかっていて、もし可動できなければ丸々特別損失になるだろうということ。
そしてこのカネのスキームが結構ビミョーというこでした。この工事にはどうやら「ノルド・ストリーム2株式会社」という会社設立→社債発行で全世界から投資を募る…というスエズ運河会社のような企業形態ではないようです。米国などの複数の国、またドイツ=ロシア直通パイプラインを「全くおもしろくない」と考えているいくつかの国〜典型的なのはポーランドなどの米欧複数国が厳しい態度を取り続けたために、このノルド・ストリーム2自体はロシアの国内企業のみで敷設する…の形にして米国などの金融制裁および国際的な軋轢を避けたようです。つまり政治的な危機を回避するために「ロシアが自分のカネで敷設した」にして、その後で受益者がカネを払う…という形式にしたようです。
あまり効率的ではないようですね…(๑¯ω¯๑)
んで、一応のドンガラだけは作って、その企業にメインで出資してるのがロシアのガスプロム。これに資金提供する外国…の形にして費用負担をしたようです。この形だとガスプロムが作ったわけではないので同社の費用負担を抑圧できると共に、資金提供する諸外国も投資に見合う利益が挙げられ、なおかつ米国などの反対諸国からの干渉を抑止できるということのようです。んで、ここに出資してるのがこれまた超巨大国策企業だらけ(爆)。仏エネルギー国策系大手エンジー、オーストリアのケミカル大手OMV、ドイツのヴィンターシャル・Unipa。出資比率は基本的にはガスプロムが半分。残りを欧州系が支払い。この1.5兆円の先行投資分はガス売上の配当で…のようでしたが、途中でカネが足りなくなってロイヤルダッチシェルR/D-Shellにまで資金援助を求めたようですね…
ほぼ国策系だらけ。悪い意味で見事…┌(_Д_┌ )┐
これではノルド・ストリーム2のためだけにウクライナとの戦争は避けたいというのが独仏の本音と見ましたね、こりゃ…。
なにしろ自分の国のエネルギー会社(≒準国策系)が直接「持ち出したカネ」をノルド・ストリーム2に突っ込んでいるわけで、もし飛んだらエンジーやヴィンター、Unipaがその分、特損を出すことになりますからね、このスキームだと。それらの会社にカネを貸してる欧州金融機関もまた傷つくということです。もしスエズ運河会社のように、ここが単独で敷設。投資は株式と社債などの形を取っていたとしたら欧米の金融機関が直接株式や社債、もしくは融資の形でカネを入れて、損失分も投資家がそれぞれの自己責任という事になっていたでしょうけど国際金融決済が必要になるので米国の圧力は避けられず、そのために独仏のエネルギー会社が直接「いっちょ咀み」してカネを入れているという構造にしたために、「民間の問題」が「政府間の問題」になってしまった悪いスキームのような気がしてきました。
実際にロシアがノビチョフ使って人を殺したり、クリミア半島併合したときも、このカネのために独仏は正義を歪めたのではないかとさえ思えるほど必死になっていたのに、今回、プーがウクライナ恫喝まで始めたことに内心、ハラワタ煮えくり返ってるのかもしれませんね(爆
これじゃあ、ドイツもヘルメットしか送れないでしょうし、フランスに至っては「平和を求める」という口先介入しか出来無いでしょう。独仏はカネ貸しでロシアを雁字搦めに出来るとでも思ったのか、それともプーちゃんが「外債」の事を考えられないほどクリミアや旧ソ連圏にこだわっているのか??
ドイツとフランスからしたら「ウクライナなんてほっとけ。カネは貸し続けてやるし、ノルド・ストリーム2があるから互いに上手くやろうや(^^)/」的な、カネのことしか考えてなかったのかもしれませんね(爆
もう少し調べてみます…m(_ _)m