という信じられない話をしたいと思います。
『ライトノベル離れ』の参考文献・ライトノベル年表で非常に重要な項目が追加されました。
本来これは日本文学科・国文科などの研究者が行うべきものですが、なぜか歴史に埋もれてた事実なんですよね。
https://kakuyomu.jp/works/16817330659071865553/episodes/168173306636049336641967年 横溝正史氏がポプラ社で『幽霊鉄仮面』を発刊
1976年 横溝正史氏が朝日ソノラマで『幽霊鉄仮面』を発刊
1995年 『幽霊鉄仮面』が角川スニーカー文庫にて復刊
※1976年のものは「版」と出てるので書き足していることも分かった。よってポプラ社版のものを完コピしたのではなく明らかに自分で書き足している。よって横溝正史氏は存命中にラノベを書いたということになる。
朝日ソノラマは間違いなくラノベレーベルです。あの『八つ墓村』で有名な作家がですよ、ラノベを書くほど当時はラノベに信頼と権威あったんですよ。後に角川スニーカー文庫でも復刊されます。よって『幽霊鉄仮面』は100%ラノベ作品です。別にこれはラノベの黎明期だから『幽霊鉄仮面』がたまたま出たんじゃなくて例えば宮部ゆみき氏なんて『ICO』をノベライズしてたりしてますよね。こんな風に00年代初頭まで大作家、文豪とも言っていい人物が普通にラノベを書いてました。なお『ブレイブストーリー』(2003)とか私は事実上のラノベだと私は思っているくらいです。宮部ゆみき氏は今や直木賞の選考委員として有名ですね。文豪と言ってももういいと思います。『ブレイブストーリー』はミルドレッド・L・バチェルダー賞を2008年に取ったので表向きは児童書になってますがどう見ても『ブレイブストーリー』はラノベでしょ。というかスニーカー文庫版もあったよな。うん、ブレイブストーリーは間違いなくラノベだ。なので年表でこのような表が追加された。
1976年 横溝正史氏が朝日ソノラマで『幽霊鉄仮面』を発刊
(1995年に『幽霊鉄仮面』が角川スニーカー文庫にて復刊した事を注釈にて説明)
2003年 宮部ゆみき氏が『ブレイブストーリー』を発刊(2008年ミルドレッド・L・バチェルダー賞受賞作品)
この大作家群がラノベを書いたという史実を消したのは間違いなく萌えオタクですよね。私はたまたま国立国会図書館の検索結果で横溝正史氏がラノベを書いたことに関して二度見するくらい驚きました。
私はやっぱ自分で検索して自分で年表を書き上げた行為を「間違ってなかった」と思ってます。そうしないと歴史に埋もれていた偉業を発見できなかったし『ライトノベル』の真の姿を見る事が出来なかったからです。
そしてそれを人は「研究」と言うのでしょうね。
そろそろ日本は「文学部ライトノベル文学科」なるもの作ってライトノベルを学術的に研究するべき段階に来てるんじゃないかな。日本文学や国文学の先生は「ラノベなんて」と馬鹿にしてたからこんな事実にすらも気が付かなかったんじゃないかな?
なお文学部児童文学科という形を置く大学を私は白百合女子大しか知らない。文学部児童文学科で取れる教員免許は「幼稚園教諭」であり、実学系の文学部として大学側も売り込めるはずなのにね。つまりこの国は児童文学すらアカデミックの世界ではバカにしてるのでしょうね。
もういい加減にそういう時代じゃないんだという事をここで声を上げたいと思う。