地下にお住まひのなんぞ。生態系(英語で言ふとEcosystem)その物を指した語が
HYPER超 thermophilic好熱
Subsurface地殻内
LIthoautotrophic化学合成独立栄養
Microbial微生物
Ecosystemなので略して
「ハイパースライム」(HYPERSLiME)といふ。ネーミングにそこはかとなく
「OoPArts」とか「FaFroTSkies」の如きセンスが。
その、地下に引き籠ってる状態から海底火山経由で負け出て生活してゐる、といふといはゆる説教のネタになりさうなのだが、三百℃の辺から出てきた皆さんが摂氏百度のちょっとクールな海底火山の、ハイパースライムさん的に寒すぎると思ふ裾野へ、結構広いフローラを作ってゐる。ばかぁ。しかも地下で、メタンハイドレートをひりだすメタン菌もお外へ出てゐらっしゃるさうである。ぴゃっと調べたらメタン菌の方は空中窒素固定もしてる可能性があるとかあった。バイオマットは動かないよな。
スライムさんで、窒素かリン酸かカリウムを固定するなんぞ。『ダンジョン飯』のスライムさんは本当に美味しさうで。んー、軟体動物か―。D&Dに出てくるゼラティナスキューブとかは、まぁ美味しさう。
マツタケで、おごとむき身をかき回し(松茸は菌類 オゴ海苔は海藻 剥き身は貝類) 貝が菌と海藻を共生させるメリット。フローラがあるところとしてa肺とか鰓とか(ハオリムシさんとか)b胃袋(まう標準和名「ウロコフネタマガイ」でいいぢゃんとか)c消化器官なんだけど(シロアリ)、とか。コアラは無視していい筈。
Shoggoth エルダーシングズと言ふかOld oneの、従業員。全長ってふか直径ってふかが4~5mで「どんな地下鉄より速く走る」。
そして1930年代、ショゴス書いたHPLに可愛がられたREハワード大先生が、コナンでThog(顔があるぬとぬと)を書き、全く別のところでCLムーアがぬとぬとなものとしての亡霊を描き、1953年JPブレナンが『スライム』(海底に棲んどる!!)を発表の後、1958年『絶対の危機』(原題が『The Blob』)といふ映画が出て、ダメ押しでコナンの二次創作『石碑の呪い』でぬとぬとにゅるにゅるでa獲物を義足で捕まへて骨以外を溶かすbのろいc火に弱いモンスターが出て、有名になった。『幻想世界の住人たち2』新紀元社刊文庫版295~300頁によれば。スマイルはブロブ(blob 粒状の液体)とウーズ(Ooze 滑りのある泥)の他、アメーバ(amoeba 不定形原生生物)さんもゐた。てふかグリーンスライムが出るD&Dのゼラチナスキューブとオーカーゼリーさんはウーズであった。
『妖精事典』KMブリッグズ P35~36に出るなんぞ。海岸や湖の浜にあるゼリー状のもので、「星くず」と訳される。スコットランド高知地方では「星がおちたもの」と言はれる他、クラゲかなんかと説明される。これの原語を調べようとして、然るべきタームをググるとWIKIでは「ジェリー状の」しか書かれず、「Starjelly」では、スコットランドゲール語でプウドル・サール(Pwdre ser)直訳すると「星腐り」と呼ばれる、南方熊楠が『虎に関する裡伝と何とか』(全集5巻p436~)で紹介した「ところてんを煮て落したような」半透明とかのぷにぷにの記事はHITする。ウェールズ スコットランド辺の草原で出るとか、現地では「星がおちたもの」とされるとか、a変形菌(スプマリアアルバ spumaria-albaの原形体が臭い)説bノストク藻(ネンジュモ)説cバクテリア説d鳥のうんこ説、などがある、ドライデンの詩に歌はれてゐるなどの南方説との照会もできた。テーロールと思しきTaylorさんの詩や、高山寺の畑に夏、夥しく出る星腐りは、最初メソテニウム(Mesotaenium多分)と言ふデスミズム(Desmid 鼓藻ってふから恐らく)~が死ぬと褐色になってバクテリアとか湧く~ と言ふサイクルでとかの南方説はないが、ラヴクラフト『宇宙からの色』がネタに使ってと言ふのはあった。星くずの方は情報がない。スターゼリーはウェールズ語版のWIKI(プレディズナントカになる筈なのだが)で「Pwdre ser」
さらに南方先生は、パルモグレアなる「葛を煮て打ち投げたるごとき」姿で紀州のその辺に繁殖してるんだかして、純白無色透明で、ちょっと洗って砂糖かけると食へるらしい、陸棲の藻類を、空中窒素固定をするバクテリアの苗床として使ふ為の研究を自宅でしてゐたが、隣家になんか建ったので叶はなかったとか何とか(南方熊楠全集第7巻(平凡社刊)38~39頁 『履歴書』)。