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夢の話

「あなたは今朝見た夢を覚えていますか?」と聞かれて、覚えていると答える人はどのくらいいるのだろうか。

私は一時期、枕元にメモ帳を置いて夢日記というか断片みたいなものをメモしていた事があるからなのか、夢の全貌とまではいかないが大体の事なら覚えている事が多い。

先日などは海の見える街道沿いを吉田羊さん(夢を見てから名前を知った女優さんだ)と二人で歩きながら過去の失敗を笑いあっている夢を見た。
特に好きなタイプという訳でもなく応援しているわけでもなかった吉田羊さんなのだけれど、その夢を見てからTV等で拝見する度に「おっ?」と思うくらいにはなんだか意識するようになってしまった。

親近感が沸いてしまっているのだ。不思議な感情だ。

そしてその時に見た過去の失敗というのも面白い。

確か理容店で髪を切っていて思いがけない髪型になってしまったという他愛ない話だったのだけれど、その過去ってのが実際に体験した過去って訳じゃなくて実はそれもまた、夢のお話だったりする。

つまり、夢の中の私は「過去に見た夢」を「実際に体験した過去」として認識していて、それを少しも不思議な事だと思わずに吉田羊さんと笑いあっているのだ。

もちろん起きた時にはなにもかも夢の話だと納得できるのだけれど、夢の中で夢の話をしているという状況の摩訶不思議さってのは残る。
まるで合わせ鏡の奥を覗き込んでいる時のように奇妙な感覚なのだ。

こういった、夢の残滓が違う日に見た夢の中に現れて、それが積み重なり、まるで夢の中の私には別の人生があるかのように、多様な過去が形勢されていく状態の不思議さ。

いつか小説のネタに使うかもしれない。

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