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ゆげさんの「飽和」、再感想

飽和:
https://kakuyomu.jp/works/16818093074078393656


それでは再読していきますね。
前回指摘した点は、引っ掛からなければスルーしますので、言及なければ問題解決と思ってもらえれば。

>生まれ変わりたかった友へ

サブタイトル変更。
いいんじゃないでしょうか。
少なくとも変更前よりは雰囲気があります。

>エミとの最期の思い出を

ここは「最後」が正しいと思われます。
最期は「死に際」の意味なので。

>私が死んだら、ふとそんなことを考えた。

ここは「私が死んだら……」もしくは「──」で繋げた方が雰囲気があるかも。

>遺った人たちに
「のこった」。ルビがあった方が親切。

>夜になりかけの風はまだ冷たく、その冷たさがあふれそうになる心のざわめきを一瞬だけ解きほぐしてくれたかと思うと、みるみるうちに混沌とした渦を巻き起こした。

ラストの改訂部分。
この一文は長すぎですし、形容が曖昧過ぎてかえって伝わりづらくなっています。

恐らく伝えたいのは、
「冷たい夜風は興奮した心を冷ましてくれたが、かえって奥底にある感情があふれ出てしまった」という辺りでしょうか。

「混沌とした渦」「巻き起こす」という部分が、読み取りづらさの原因と見ます。「巻き起こす」だと主人公の気持ちが新たに生まれたように感じられます。そうではなく、主人公は怒りの感情の余り、悲しむことを忘れていて、それが落ち着いたことでやっと、エミの死を悲しむ余裕が生まれた。本当の気持ちがやっと表出したのだ、ということが伝わる表現がよりよいのでは、と思いました。

>視界がぼやける。斜め上を睨み、奥歯をかみしめた。

前文が長文なので、この前で改行して一行開け、段落を変えた方がよいですね。

>せめてエミが安らかでありますように。

ここからでもいいかもしれません。
どちらもアリな気がするのでそこはお任せしますが、いずれにせよ改行は必須だと私は思います。吹き抜ける夜風の中で真意に泣く場面には、塊としての(文章の)重さより風通しの良さが相応しいと私なら判断します。

ラストの文章そのものは文句なしです。
私が欲しいと感じていた場面そのままでした。

細かな部分さえ手を加えれば、間違いなく改訂前よりよくなったと太鼓判が押せます。

21件のコメント

  • 再読ありがとうございます。
    てっきり前ページのコメントの続きでいただけると思っていたので、新たにノート作っていただいてすみません。


    エピソードタイトルは問題なさそうでよかったです。

    >この一文は長すぎですし、形容が曖昧過ぎてかえって伝わりづらくなっています。

    ここは自分でも長いなあと思ったんですよね…梶野さんがすぱっと分かりやすく言い換えてくださっているので、自分なりに伝わりやすくなるよう考えてみます。

    改行や段落についてもよくご指摘いただいてる気がします。もう少し注意しながら書きたいと思います。

    ラストの部分と、前よりよくなったとのお言葉嬉しいです。ありがとうございます!
    表記等、すぐに直せそうなところはさっそく修正したいと思います。本当にありがとうございました。


    あと、何度も申し訳ないのですが、実は内容で質問させていただきたいことができて…また後ほど立ち寄らせていただいてもいいでしょうか?
  • いつでもどうぞー!w
  • ありがとうございます!m(_ _)m
     
    実は先日、参加していた自主企画で感想文をいただきました。すごく読み込んでくださったうえで、「エミの家族がエミのことをどこまで知ってどこまで受け入れているのか儀式の様子だけでは分からないし、主人公がエミの家族にだけ怒りを向けているのは構図がシンプルすぎる」といった内容の指摘をいただきました。主人公やエミの家族が何をどれだけ知っていたとかほとんど説明をしていませんし、たしかに主人公の思い込みだけで話が進んでいるようにも受け取れるので、明らかに作者の描写不足が原因で迷わせてしまったのだと感じました。

    そこで、最初の応援コメントで梶野さんにも「エミの設定が曖昧でテーマが多少ぼやけたり」といただいていたご指摘について、そのときは「ここら辺は読みながら指摘した通り」とのことで該当箇所(家族に本音を言えないところと自殺の明示)の修正はしているのですが、このあたりのことを少し詳しくお聞きできないかと思いました。
     
    「エミの設定」については詳しく書くかどうか迷って結局省いてしまった部分でもあります。少なくとも読みこんでくださった方が疑問を感じなくてすむくらいには、エピソードを足すなどして、説明を入れようと思っています。「テーマがぼやける」というのもあまりよく分かっていなかったくせに、修正したことで安心しておりました(反省してます…)。

    改稿はこれで終わるつもりだったのですけど、もうしばらく向き合おうと思い直したところでした。主人公の怒りについても考えてみたのですが、怒りの対象はたぶんエミの家族じゃないんですよね。かといってはっきりと何に対して怒っているとも言えなくて、よく分からないのです。その辺もゆっくり考えたいと思いましたし、勢いだけで済まさずに、自分が本当は何を書きたかったのか、根本をもっとしっかり考えてみようと思っています。

    他所での指摘ではありますが、最初に梶野さんも同じようなことを仰られていたのではと思い出し、詳しくおききしたくて質問させていただきました。今回の感想でも言及されていないところを、掘り返してすみません。参考にさせていただければと思います。
  • ふむふむ。
    他の方の応援コメントもざっと読んできました(スロさんも書いてる!)が、該当しそうなコメが見つからなかったので、別の場所かもしれませんね。まあそれはよいとして。

    上記の感想を念頭にもう一度読み返してきましたが、個人的にはそこら辺の詳細な情報は不要だと思います。

    この物語で必要な情報は、「エミは家族に理解されていなかった」ことで、それは一番身近にいた主人公の感覚と、陽道として葬られてしまったことで十分に読み取れます。このサイズの短編でさらに細部を書き込んでも、バランスを崩すだけだと私は思いますね。加えて言うと、詳細を書いたところで読者の受けた方は人それぞれですし、それなら現状でも変わらないだろう、という話です。

    この話は主人公の思い込みで進んでいるという指摘も、一人称であればむしろ自然な形でしょう。友人の死の理不尽さにやりきれない怒りと悲しみを覚える状況で、冷静に客観視してるキャラのほうがどうかしていますし、リアリティがありません。主人公に見えない部分の想像や思索は、読者がすればいいだけで、物語は主人公内で完結していますから、それでいいんです。

    私が最初に指摘したのは、その前提となる設定の説明部分が曖昧だから良くない、という話で、少なくとも改定後は主人公視点について納得できる内容だと見ています。「実は家族はエミに理解があったかも」なんて思いません。もちろん家族には家族で悩みがあったんでしょうけどね。愛息だったんでしょうし。

    でもエミは葬式にはいなかった。これだけが事実で、だからこそ胸を打つんです。そして主人公が、それをどう受け止めるのが気になると。

    そういうわけで、私は詳細を追加することには反対しておきます。よほどうまくやらなければ蛇足になる可能性が高いですから。

    家族について一方的になるのは普通の感覚で、これは主人公の気持ちの問題です。「一方的だ」と感じる読者がいても構いませんが、概ねは主人公に共感できる内容になっていますから、手を加える必要まではないと判断します。あくまで私なら、の話ですけどね。
  • 私の感想だけではなく、他の読み手の意見も欲しいなら、ここで募ってみましょうか。

    特にスロさんは読んでますし、ぜひ。湾多さんとかも好きそうな話題だし。その上で、ゆげさんが納得する方向で手を加えてみてはいかがでしょう。

    そういうわけで、こそっと召喚しておきます。(他の方でもご意見あれば是非)
  • え。ゆげさんのでよくわからんとかはまったく印象ないんですがw
    ま、一応読み直して、またきてみますわw
  • あ。これかw
    え、なんかわかんないとか、書くべきだとかいう要素あります?
    これ、むしろわかりやすいぐらい書いてる部類だと思いましたよー!
  • え。エミの怒りの対象って、自分以外の全部じゃないすかw
    自分だけはわかってる、という驕りも含めて、一人称だし、必要にして充分だと、私は思いました。確かw
  • 感想ありがとうございます。私も同感です。
    あ、最後のはエミじゃなくて主人公だと思いますが、思うに自分も含まれてそうですね。親友の自殺を止められなかったという意味で。
  • あれ? 陽道がエミでしたっけw
    忘れてるw
  • ですです。飲み過ぎw
  • もう今日はずっとへべれけでやんすw
  • わあ……(驚)

    梶野さんの最初の指摘のところ、ご説明いただきありがとうございました。まったく別のご意見だったということを、説明いただいて理解しました。
    一つだけ訂正させていただきたいのは「主人公の思い込みだけで話が進んでいる」というのは、いただいた感想を受けてのゆげの感想でした。そういうふうにも見えるかもしれないな、と思ったという。わかりづらくてすみませんでした。
     
    梶野さん、スロ男さん
    ご意見ありがとうございます。再読までいただき、本当に感謝しております。でも、申し訳ありません。
    この件につきましては、決して議論をしたいわけではなく、当初の梶野さんのご指摘の意図が気になって質問させていただいたのです。
    解釈は読者の方に自由にしてもらいたいと思っているのですが、全部委ねられるほどきちんと描写ができていなかったのではないかと思っての質問でした。
    まずは、自分なりに整理してみたいと思います。こちらでいただいたご意見とご厚意はありがたく受け取らせていただきます。本当にありがとうございました。
  • なるほど、ちょっと感想範囲がオーバーしてましたかね。すみません。

    まあ当初の質問にはお答えできてるようなので、後はお任せしたいと思います。

    また何か相談があれば、いつでもどうぞ。
    専用ノートですからねw
  • お尋ねの仕方もよくなかったと思います。すみません。
    でもとても助かりました。いろいろありがとうございます。

    スロ男さーん、来ていただいてありがとうございました。
  • すれ違いを感じたので読み返してましたが、私の方で取りこぼしがありましたね。改めて説明を追加しておきます。

    >「テーマがぼやける」というのもあまりよく分かっていなかった

    足りなかったのはここの説明ですかね。

    この物語は、表面的には家族と上手くやりつつも本音を言えず終いだったエミ(陽道)と、家族に遠ざけられた主人公の話です。エミの自殺の理由は語られていませんが、自身の境遇や家族の無理解が原因だろうと推察されます。

    ここの「自身の境遇や家族の無理解が原因だろうと推察」のための材料が、初稿ではやや不足している(推察に自信が持てない)と感じられたので、「ここは書き方が曖昧過ぎるので明確にすべき」と指摘しました。主人公が「聞いてない」というのでは、状況把握が難しいと感じられたからです。二稿で「書きすぎ」としたのは、同じ境遇で親友だった二人の距離感なら、明言せずとも「感じられた」ことに説得力があり、きっとそうなんだろうと信用できたので、そう伝えました。

    初稿では自殺かどうかが明言されていなかったり、主人公の服装がやや読み取りづらいなど、推察する前提の情報が曖昧だったことも「テーマがぼやける」とした理由ですね。二人の立場の対比は、直接的なテーマ(LGBTが家族に受け入れられないこと)には関わりませんが、主人公のスタンスを語る上で重要です。もし主人公が家族に配慮して男の喪服を着ていったら、話は崩壊します。主人公の立ち位置を明確にすべく、服装は解釈が別れないよう、しっかりと描くべきだと書きました。

    葬儀に来た同僚の様子なんかもテーマを深めるのに使えそうだなと、ああいう指摘をしたがあります。世間体を気にする家族に憤る主人公と、「世間とうまくつきあう」ことを選ぶ同僚という対比も考えさせられるところがありそうなので。

    読み返した三稿では、いま蒸し返した指摘はちゃんと直されていると思います、これは前述した通り。

    >主人公の怒りについても考えてみたのですが、怒りの対象はたぶんエミの家族じゃないんですよね。かといってはっきりと何に対して怒っているとも言えなくて、よく分からないのです。

    ここは質問されてないかもですが、私の読み方としては、世界全てにでしょう。直接的には無理解な家族や救えなかった自分、間接的にはLGBTへの世間の偏見。自分がLGBTに生まれたことへのやるせなさもあるかもしれません(あくまて私の感覚ですが)。それらが重なって「生まれ変わりたかった」に至ったんだろうなあ、と私には読めました。

    ここについては様々に読める余白を残したほうが正解だと思いますね。


  • 詳しく追加いただきありがとうございます。
    読ませていただいて、そうだったのかとすとんときました。
    詳細の説明がないから曖昧なのではなく、あくまで書き方が曖昧だったということですね。「テーマがぼやける」についても、単純に一か所ごとの不足だと解釈していましたので、それがこのように繋がっていたとは思っていませんでした。主人公の服装の部分もそうだったのですね。消してしまいましたが、同僚のところも。本当に細かいことは何も考えずに書いてしまっていたんだなあと、今更ですが、思いました…。

    「怒り」の部分も聞かせていただきありがとうございます。主人公は梶野さんやスロ男さんの仰るように「すべて」に対して怒っているのかもしれません。世間や家族や自分や、エミも対象かもしれないですね。作者自身がよく分かってなくて申し訳ないですが、この辺りは読んでくださった方の想像にお任せしたいと思います。そのためにもいろいろ書いてしまわないほうがよさそうですね。

    お時間をとっていただき、またノートを作って対応くださったり、本当にありがとうございました。こうしてお話を伺うたびに、やはり自分の力不足をひしひしと感じます。まだ「巻き起こす」の長文がそのままなので、近いうちに修正入れたいと思います。
  • 梶野さあああん 
    別件ですが、こちらから失礼します。
    本日カクヨムコンの最終発表がありまして、『夜宵~トマトと卵のラーメン~』なんと短編特別賞を受賞しました。
    まさか、二度目の報告ができるとは思っていませんでした。
    信じられなくて震えてます…でもとても嬉しいです。
    梶野さんに感想をいただいて、良さを引き出していただいたことが本当に大きいと思います。
    いろいろお礼言いたかったのですけど、胸いっぱいで……
    本当にありがとうございました。
  • おお、おめでとうございます!
    よい作品に関われて、私も鼻が高いです。
    これからも慢心なく、胸を打つ作品を書いていってくださいね。

    これで遠慮なく「ゆげはワシが育てた」って言えます!w
  • おお、ゆげさん、おめでとうございます!(ここでいうなw)
  • せめてゆげさんのノートで言ってあげて!w
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