概要
「死」は果たして「救い」になり得るのだろうか、ということ
願わくは、その魂が安らかでありますように。
次に生まれてくるときは、決して間違いの起こりませんように。
次に生まれてくるときは、決して間違いの起こりませんように。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!名付けは早すぎる
ローマの将軍にゲルマニクスという人がいます。ゲルマン人との闘いで戦果をあげたからゲルマンを冠する名前を得たそうです。
私はそういう風に生きれたらいいなと感じます。生まれる時に背負うにはまだ何もわからなさ過ぎるから。もちろん名字や、両親が考えてくれた名前は素敵なものです。だけど人は生きているうちにより適切な響きが見つかることがあるのかもしれません。
生まれにではなく、現在や未来にその人を見るべきですね。私達がそうできないのなら、その人の居場所は少なくとも私達の近くにはなくなってしまうからです。私はゲルマニクスのように闘う人を新しい名前で呼びたいなと思います。
おすすめです。 - ★★★ Excellent!!!多様性に揺れる本当の喪失
男と女の名前をもつ友人【小幡陽道】こと『エミ』。最初から女の子に生まれたかったと思って生きてきた彼は突然、自死してしまう。彼の死の前日まで一緒に遊んでいた仲の私だが、彼の死を受け止めることができないでいた。無理もない。誰もがそう思うだろう。
しかし、故人本名と女の子との二つの名前が喪失感を阻むような効果を与えるような描写がテクニカルで、多様性の一環なのか、感じたことのない妙味を覚える。普段のエミは透明感のあるメイクが施されているのに対し、棺桶越しから見える別人のような素顔へのギャップから、本当の喪失を悟らせる描写もまた上手い。
複雑な感情に揺れる心のざわめきに死生観がマッチした心に残る…続きを読む