さて、今回は「二つの逃避行」の全16タイトルの由来などについてご紹介いたします! また累計400PVも突破いたしました。本当に皆さまありがとうございました!
タイトルについて実際もとから用意していたわけでは無かったので、投稿の最大の苦労でした……。添削とかももちろん大変でしたが、ネタバレをせずに、その上内容を少しは回収できるようなものに苦心苦心。
便宜上「私」をA、最初に出てくる「彼女」をB、途中出会う「彼女」をCとしましょう。まだ読み終わっていない方はご注意を!
肩書の枷
私(A)と彼女(B)が許婚の関係である、ということが二人にとって枷であるということから。
無謀の向こう側
Aが家出を思いつき程度で、現実には無謀と考えていたものをBが本気にし、その向こう側の何かを目指そうとしたことから。
空論実化
机上の空論の「空論」を現実へとする過程より。
駅へ
そのままです。ごめんなさい!
逃避行か旅か
その時点では逃避行とすることも旅とすることもできた、とAが考えていたことより。
ようこそ一人
AとBが別れ本格的に逃避行が始まったことから。
文明功罪
鉄道という文明で逃避行をしているが、監視カメラという同じく文明の産物が逃避行を困難にさせていると感じていることから。
深夜の逃走
公衆トイレ事件です。
アリ地獄を目指して
東京に逃げ込むとそこから別の場所に移動できないことより(のち言及されていたことに気づきました)。
非論理な夜
最後のAの回想。恐れなくて良い時に厳重警戒し、恐れる時に彼女(C)と一緒に泊まっていることより。
喧騒の孤独
一人になった状態のAが、喧騒の中でいっそう孤独感を強めていることに対して。
幽霊の受肉
AがCに対して幽霊みたい、と抱いていた印象がずれたことから。
単数形の揺らぎ
AがBとCを同一視したり、やはり別人と考えたりと苦悩するシーンから。
夢みたいに
Bの「夢」という発言とA自身の意識の混濁から。
証明しないという証明
全てのことに答えを出すことに対してしなくても良い、とAが思えるようになったことより。
モラトリアムのなかで
ここだけ少し説明がしづらいですので長く書きます!
仮タイトルは「時の寄り道」で、何か寄り道にまつわるものが良いと思っていました。
(以下一つの解釈です。それ程度に思っていただけるとありがたいです)
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Aが最終的に辿り着いた答えは「自身の生きるモラトリアムの中で、答えを出すということに対してのモラトリアムを作っても良い」だったのです。
Bとの関係についての答えを出すことが、少しぐらい遅れても良いのです。モラトリアムの中にいるのですから。
言葉自体は後付けです。私の貧弱な語彙力では「モラトリアム」は出てこなかったので「時の寄り道」にしましたが、言いたかったのはそれでした。
最後のシーンはそれを象徴しているところもあると思います。
「新幹線は少しだけ遅れてやってきた。」
AとBの行く末は書いてませんから誰にもわかりません。ご想像にお任せいたしますが、少なくともあの時Aの思考にはこれがあった……のかも?
それでは!