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『君の名は。』感想&考察(ネタバレあり)

本日、母と一緒に話題の『君の名は。』を見てまいりました
元来、ここは近況ノートの場。他者の作品の感想、ましてやカクヨム外の作品の感想などもってのほかでしょうが、番外編がカクヨム内にあったりするので、話題の作品の考察=執筆活動においての参考法と定義して行います
ハッキリ言っておきますが、ネタバレがあります。お気をつけて



◆感想
私がその作品を知ったのはある界隈(TSF系統の集まり)にて明らかになった情報が始まりです。「映画でやるんだー、へー」と完全に見向きもしていませんでした(昨今はTSF業界は盛り上がっていますが、そのぶん質の問題が出てきており、当時の私は見抜けなかったわけです)

そして、旅行の末に入院。その際にTwitter上でめっちゃ人気なのを知り、また界隈では有名な方も太鼓判を押しているので見たくなった次第でございます
勿論、母と一緒に平然とTSF系作品を見れるぞヤッホイ、という本音もありました。胸揉むシーンで恥ずかしくなったけどな!

まぁ、そういう経緯もありまして見たわけですが……
これは人気が出ますね。何せ、アニメ映画としては完成度の高い物だと思うのです。構成もしっかりしてるし、演出も上手い。
声優などの抜擢も的確で、特に瀧君の声優さん凄い。吐息だけで三葉が入っているのが解るもん
風景も妥協がなく、本気でアニメを作っているのが解ります。母も音楽の使い方などを評価しておりまして、CDを買っておりました(私は小説を。挿絵付きにしようか悩みましたが、ここは堅実に)

シナリオの面については、悪く言うと展開早過ぎ。よく言えば二時間によく押し込めたと思います
これは二人の入れ替わりの日常がダイジェストであった部分が顕著でしたね。テンポがいいので気にはならなかったですが、帰り際にいた小学生が「ちょっと解らなかった」と言葉を漏らしていました
ただ構成や伏線の配置などは言う事はありません。むしろ見習いたいぐらいです(後述)
人物は皆活き活きしていましたし、同じ場所を利用した細かな変化の強調などで、作品の抑揚を表していたと思います

TSF的観点から言うと……やはり日常のダイジェストがなーと思ってしまいますね。貪欲なのは承知ですが、ゆっくり見たかった
ただ胸を揉むシーン、お婆ちゃんを背負う時の感覚の差(瀧君的にはできると思ったのに、三葉の女性特有の力の差で汗をかくシーンは解っているな、と)、髪の結び方の違い(演出的にも瀧君が入っているのが解りやすい)、そして涙を流して胸を揉むシーンは素晴らしかった。失ったと思ったその柔らかさを取り戻す感じね

あとね……最後の笑顔は卑怯だよ
一番涙腺に来たのは、最後の彼女の笑顔でした

見る事ができて光栄な作品でした
地上波きたら録画するだろうなぁ……


◆考察(または創作からの気づき)
ここからは一創作家として、万人に受けた作品の考察を
とはいえ、おおまかに考察などは調べつくされていますし、あくまで伏線などの気づきを書くだけです

・お婆ちゃん
本作においての鍵となるお婆様。彼女の言葉のほとんどは物語の動きに関わっています。しかも、終盤で彼女も入れ替わりの体験者である事が判明して、これまでの発言にも納得ができる。すげぇよ、婆ちゃん。

・地理
所謂、窪み。もしくは湖。最初から自然に存在し違和感等ありませんでしたが、後に判明するクレーターという真実は、これから起こる災害の説得性を増したものでした。なんで落ちてくるんだろう、と思っていましたがそこで納得しましたね(同じ場所に落ちてくる確率? 一度ある事は二度あるのだよ)

・メインビジュアル、イラスト
二人が違う場所からお互いを見やり、隕石が分かれている絵は、よく見たら破片が三葉の方に行ってます。また、階段越しに学生三葉が学生瀧君を見上げている絵は、まさに最後の場面に繋がりますね

・三年の差
三年。長いように見えて短い年月。それでもって、非情な時間の隔たり。瀧君、同い年だと思ってたら三つも年下だったよ。

・プロローグ(序盤演出)
構成的に、序盤に実は答えを出していますね。大人になった三葉は出ていますし、学生三葉が瀧君と出会って赤い紐を渡している描写もあります。ですが、最初はそれを見たところで、なぜそうなったのかが解らないわけです。二人は再会したのか、それとも別れたのか、それとも――妄想のし甲斐がある上手い構成だと思います。そしてそこから、まさか三年の違いがあって、あの再会は思った再会ではなかった。でも、最後にお互いは電車越しで確認し、自分の探していた誰かを見つけようと東京を走り回る……名前は知らない。忘れてしまったあの人を。でも、それが大事な人だと覚えている――

・君の名は。
作品のタイトルは原題があり、変わる物です。本作も本来は別の名前があると聞いた事があります(ど忘れ)
大抵は、硬い名前だから、とか合わないとかで変えられるそうですが、本作のこのタイトルはまさに合っていました
名前。忘れないと言っても人は忘れてしまいます。ましてや奇蹟の中でそれは加速してしまうでしょう。
でも、想いは消えない。少年はその誰かを求めて死にもの狂いでかつて見た光景を集めた。少女はその誰かが行った作戦を実行し、生き延びる事ができた。
八年、五年の歳月が過ぎても彼らはその誰かを求め続けた。
君の名は。名前を忘れてしまった二人が最初に聞くべき確認の言葉。それは、あの奇跡の始まりの問いと同じ意味の言葉だった


……最後らへんは完全に酔ってますが、それほど素晴らしい作品でした。あーくそ、瀧君イケメンすぎるし、三葉ちゃん可愛すぎんだろ!
こういう青春物には弱い。お互いが一途に必死になる姿は心打たれます。新海誠さん、素晴らしい作品ありがとうございました


以上が私の感想となります
この勢いで入れ替わりものがふえーろ、ふえーろ(自分は書かないくせに)

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