『シン訳・ガンダム SEED OS 書き換え呪文』がじわ……、じわ……と読まれております。読んでくださった方、応援頂いた方、ブックマークを付けてくださった方、どうもありがとうございます <(_ _)> ほっぽらかしでも読んでいただけるのは、やっぱりガンダムというネームバリューのおかげだなと思います。ありがたいことです。
このまま調子に乗って、やっぱりガンダムのバリューチェーンについて書いてみようかとか思ったりしています (^^;)>
さて、話は変わりますが、最近願い事が叶いました。端的にいうと、冬場の日照権が確保されました。確かにいいことではあるのですが、「うっひょー、やったぜー!」というのもちょっとはばかられるかな……と感じております。そのあたりについて少し書かせてください。
我が家は北向きの斜面にあります。南側には道路を隔てて、別荘があります。別荘のオーナーは、隣町で木材加工の工場を営んでいる A さんで、別荘にも手入れをしによく来ています。
さて、この A さんの別荘には三本の背の高い松の木が植わっていました。この松の木たちが冬場は我が家の物干し場に陰を落とします。お陰で冬場は洗濯物が乾かずに、お隣の庭を借りて干していました。
引っ越してきた当時は、方位をよく考えずに引っ越してきてしまったことに大変後悔していました。そして、松の木を見上げては「この木たちが無くなりますように……」とお願いしていたのです。
A さんが松の木を切るといい出したのは、二年前のことでした。どうも松の根が道路に伸びていて、舗装を持ち上げてしまっていたのが原因のようでした。私はこの話を聞いて小躍りして喜びました。これで冬にも物干し場に日が当たる!
が、その年 A さんが切ることになったのは三本の松のうち、二本だけでした。少しがっかりしましたが、一日ほとんど日が当たらなかった場所に日が当たるようになりました。一本残った松は一日二時間ほど陰を落としましたが、自宅の物干し場で洗濯物を干せるようになりました。お隣に洗濯物を持っていかなくてもよくなったので、冬のお洗濯干しが楽になりました。
しかし、人間というのは少し良くなると、次の欲が出てくるものです。二時間だけでも日が遮られると、洗濯物に結構湿気が残ります。その湿気対策に乾燥機が必須でした。でも、この二時間の日を確保できれば、冬場でも乾燥機なしでいけるのではないか……! そんな欲望がむくむくと頭をもたげてきました。そうして私は知らず知らずのうちに再び祈っていたのです。
「最後の松も無くなりますように……」
二週間ほど前、A さんが浮かない顔をしていました。どうしたのかと尋ねると、「松の木の調子が良くないんだ」と言います。剪定をしに植木屋を入れたところ、木の股から中が空洞になっているのが見つかったそうです。詳しく調べてみたら、ずっと下の方まで腐っていて切らなければ倒れて危ないと言われたそうです。A さんは、最後に残った松だったので切るのが残念で他の植木屋にも聞いたそうですが、やはり切ったほうがいいという答えだったそうです。
そうして先週、植木屋が来て、最後に残った松の木を切っていきました。A さんは最初から最後まで、屋根の上に登って仕事を見守っていました。植木屋が切った木をすべて片付けて帰った後、A さんに声をかけると、A さんは「松が無くなっちゃったよ……」と悲しそうにしていました。
松の木の後には、別の木を植えるそうです。新しい木を見に行ったところ、いいな、と思った木は十五万円から二十万円ほどするそうです。そのほかにも、植木屋に木を運んでもらうだけで十五万円、松の木も持っていってもらうのに十三万円くらいかかったそうです。大雑把に合計しても五十万円前後の費用がかかるということですね。
我が家の物干し場には、冬でも一日中日が当たることになりました。お隣のお庭を借りなくてもよくなったし、洗濯物もよく乾くようになりました。願いを聞いてくれた神様には万々歳でありがとう!とひれ伏したい気持ちなのですが、A さんに五十万円の出費をさせてしまったかと思うとそう喜んでもいられない気が……。A さん、すいません。私の願い事パワーが強いばっかりに……。