桑鶴七緒

フランス製菓店を店舗におくその本社で働く既婚者の登坂輝。地方営業へ行った際に久米という二十代の女性に一目惚れをし、その日の晩二人は恋に落ちる。その間に彼の妻である莉花は娘の結衣を…

釣りが趣味の主人公の僕が、ある日海岸に来て、竿を引き上げてみると、手のひらに乗るくらいの小さな人魚がかかり彼女を助けた。娘の優菜も友達が増えたと喜んでいたが、人間との共存は難しい…

都内近郊にて連続無差別殺人事件が起きた。定年退職を目前とした警部補の阪野順平は、今回の事件の担当を任される。 その容疑として拘束された新谷眞紘という男性が数日にも満たないうちに釈…

日本の四季を中心としたテーマで詩を書いています。

新聞記者で在日三世の阿久津斗真は、ある人物から実母の足跡を探すように依頼を受ける。親族の元へ行きその歴史は日本が韓国を支配下に置いていた統治時代までさかのぼる。曽祖父母や両親が出…

なぜ自分が執筆に手をつけるようになったのかという事を素直に綴っているエッセイです。

主人公の翔は医師の頃、とある不正手術に関与したことにより免許を剥奪され、現在は両親が経営する内科医院で事務員として働いている。ある日の晩に新宿のスナックで出会った久ヶ原新と知り合…

滅亡したとあるアジア諸国では生き残った民衆の間に起きた二百年戦争が終結し、各領地の民衆は穏やかに過ごしていた。ある日の晩、黄の領地に蒼の領地の軍勢が押し寄せ一部の民衆が虐殺される…

家族と同居する九十歳の祖母が、最近何かに目覚めたらしい。パソコンの使い方をやたら聞いてくるので様子を見ていたら、その光景に驚愕を覚えた。

フォトグラファーの矢貫葵陽は、雑誌の企画で依頼主たちの"最後"を迎える時を写真に収めて記事にしていくという仕事を引き受けることになる。ツジリこと、ライターで元妻の辻本里沙と共同で…

それはただの罪に等しいかった。ある男の証言でなぜ殺人未遂に至ったのかを吐いてくれたおかげで我々も連れていくことができるのだ。そう、その自白はすべて正しかったのだ。

同級生の村沢汐里に片想いを寄せる春谷莉音はクラスで一番の小心者。そんな彼女は汐里に縁日に行くことを誘うと、一緒に行こうと返事をくれた。当日賑わう神社の境内にある露店で願いが叶う金…

第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト 俳句の部の一句部門の応募作品集です。 一句一句に思いを込めて詠んでいます。

自己の俗念に悩みながら生きる主人公の三津谷奏市。高校時代の同級生の結婚式に参加した際に再会した元彼女の琳に再び恋心を抱くようになるが、のちに彼女の子どもが自分の子だという事実を知…

尾花啓吾は地元新潟であった震災で妻子を亡くし両親の行方も探しながら難病とも向き合い仮設住宅で過ごしていた。ある日を境に上京して生活を送るも、見知らぬ女性らと関係を持ち悩む日々の中…

天変地異による列島の分裂や人口の急激な増加により、男女が離れて島に住むことを余儀なくされた未来の日本国。ある条例によって特定の国民が指令を受け共同生活を行いそれに従わなければ国外…

自称社畜的存在と思い込む平凡な生活を送る浅利海人。学生時代からの縁で一緒に暮らす妻の凪悠とは長年のセックスレスが元で夫婦間のもつれにどことなく違和感を抱えていた。その間同窓会の席…

人間と動物が共有共存している総合病院の夜勤にて看護士たちは自分の仕事にまっとうし人間とともに生きる。ある日入院患者の小学生の男の子が脱走を試みようとし、看護士たちは彼からその事情…

大正初期の日本のとある村に住む鱒弥は雲雀という同じ15歳の許婚と共に暮らす。二人の間に子どもを授かるものの、産まれてくる子たちには顔がない。生と死を繰り返しても夫婦は顔のある子が…

三つの家族を題材とした短編の作品集。それぞれが亡くなった家族との心の繋がりを求めている時に、真夜中に近隣の公園に謎の公衆電話が現れるというファンタジー。第１章は父と息子、第２章は…

平潟真弘は教員職当時、教え子だった望月紗奈から精子提供を要望され悩んだ末に彼女と関係を持ち、やがて周囲に暴露されると突然彼女は消し去ってしまう。それを機に起きた婦女暴行未遂事件の…

自作「太陽と向日葵」の番外編。昭和38年。ジュートこと浦井直純は鶯谷のローズバインが閉店してから1年が経ったある日、ローズママからある人物が自分に会いたいという知らせを受けて銀座…

主人公の"僕"はある日手先から枝が生えてそれを見た父親は立派な樹木となるように願いながら、自宅の近くの通り沿いの道に彼を植えた。数年が経過して、疎外感を持ちながらも背丈が伸びた頃…

主人公の《私》は母親が海になったことに対して未だに疑問を抱えたまま自身の家族とどう向き合おうか悩んでいた。些細なことも誰にも話せずに苛立つ日々。再び私は母の元を訪れてあの《彼》の…

和菓子が大好きな女性がある店の行列を見ているうちに居ても立っても居られず、ついには念願だった目当ての流行のスイーツを買って食べたところ、体に異変が生じていき──。好きだからこそ"…

世界に謎の白い物体が投下された。人々は皆空を見上げて眺めているとあのマシュマロが街中で溢れかえっているという。果たして誰の仕業なのだろうか。

高校時代の同級生から１本の電話が鳴る。同窓会に出欠するための連絡に主人公の“僕”は修学旅行先で飲んだラベンダー色のソーダ水を思い出してはとある“彼女”との出来事を振り返る。

KAC20237お題【いいわけ】。作者のほぼ実体験に近いお話を元に構成して執筆いたしました。

※一部過激な性表現があります。ご留意ください。 丸岡想多は5年以上の友人である男勝りの"彼女"と肉体関係を持ちながらも、本命の秋葉という男性と恋人同士で過ごす日々を送っていた。あ…

KAC2023お題「深夜の散歩で起きた出来事」。大学受験を控える主人公の僕。深夜の塾の帰り道、見知らぬ犬が1匹歩いていたので後をついていくと──。

7歳になる私の娘は絵を描くのが好き。同じもので描くばかりでは満足できないらしいので、そこで私は海に出かける事を選んだ。

世間を冷めた目で見る主人公の元にきたテディベア。切り刻み放置したその晩に訪れたある出来事に遭遇するが──。

主人公の”私”はカエルのぬいぐるみが好き。いつでもどこでも一緒だと思っていたが、ある日カエルたちがいなくなったのを機に心の拠りどころを考えるようになったが、やがてあの出来事が世界…

20歳の櫂と朔。2人は高校生の頃からある関係を持ち、今は同じ家で共に暮らしている。朔からのある"返事の答え"を探し回るうちに、彼との関係性に気づき始めていき──。

20年の腐れ縁に別れを告げることにした"僕"。彼女を呼び出し話を進めていこうと言い出したものの、相手の感情に惑わされてしまう。2人は別れることはできるのだろうか。

イタリアンのオーナーシェフとして家族を養う葛木晴は、ある日行政からの命令で店を立ち退くように促される。急ぎ早く次の職場を探しているうちに、法律事務所から連絡があり妻の美梨と出向い…

優等生でありながらサボり癖のある沙耶と真面目で素直な幼馴染みの真帆。学校からほど近いいつもの海に来ては陽を浴びてマイペースにたたずむ沙耶を真帆は見つけて帰るように促す。突然の雨に…

【カクヨムWeb小説短編賞2022応募作品】 不眠症に悩まされている"僕"が、主治医に睡眠導入剤を変えてほしいと頼むと最新の新薬を処方してくれた。その晩から薬を服用し眠りにつくと…

ごく平凡な会社員の芹沢陽太(ひなた)は、結婚を前提に付き合っていた彼女の加奈にフラれた挙句に自殺を図ろうとしていた時、成澤蒼という男性に一命を取り止められた。その日を境に蒼と運命…

【カクヨムWeb小説短編賞2022応募作品】 悠久の美しき古都・京都の街の一角にある神社の神殿の中から御神体がなくなっているのを宮司の八代が発見した。滅多にない珍騒動に禰宜の時田…

第9回角川文庫キャラクター小説大賞応募作品として3部構成で改定したものです。 第二次世界大戦終結から十年が経った昭和三十年代の東京の下町。 元陸軍兵士の浦井直純は戦争で妻や子…

外科手術の専門医の綾瀬は、法務省より刑務所の矯正医官として出向を命じられる。医療設備が著しいなかでも、診療に来る受刑者たちの心情を垣間見ることで医師としての視点が変わっていく。

クリスマス嫌いのある男性が勤務先の店頭でとある老夫婦からポインセチアをもらった。明くる日見たことのない光景に驚いて、更に彼には奇跡が起きていった。

大学生の橘由愛は交通事故に遭い脳死状態の身になった。そこへ現れたスケジューラーと名乗る男から、49日以内に自分の為に流した本物の涙を集めると生き返るミッションを命令される。一人暮…

記憶喪失の橙一はある事情をかかえて都会から離れて里山で暮らしている。秋休暇を使い訪れた叔母の息子夫婦の子どもから、「うるうのもり」という絵本の存在を知る。その中に登場する人物が近…