ご覧いただき、ありがとうございます。本間舜久です。
ようやく8話目が公開できました。
あと2話の予定です。
「不倫なんて」と言われがちなことは承知の上で、今年(2016年)のキーワードである不倫をテーマに作品を書くことを決めたとたん、一度に2つのことが起きました。
その1。カクヨムという新しい小説投稿サイトがオープンする、という話。
だったら、そこに書こうかな、となんとなく決めました。新しいもの好き。
その2。瑞希という主人公があっという間に現れました。不思議です。
瑞希は最初はとても好きになれないタイプの女性で、「この人のことを書くのかあ」と少し戸惑いがあったのです。1話を書いたところで、彼女の恋愛対象である男性が、親友・睦美の夫であることがわかりました。大輝という塾の経営者。
なるほど、と少し私は心が動きました。瑞希はそれほど変わった女性ではなくて、むしろなにもない、どこといって特徴のない女性なのだと気づきました。
それは書く者にとっては、少しばかり肩の荷が下りるような感じでした。これでぶっ飛びのとんでもないキャラだったら、おそらく続きは書かなかったでしょう。というか、書けなかったでしょう。
しかも、瑞希にはみんなが普通に口にする「愛」をいまいち、実感できていません。
彼女のダメさ加減は、同じ職場の2歳下の先輩・眞弓によって、よりくっきりしてきます。友達の少ない瑞希でも、途中で社員になった関係で、先に社員だった眞弓という先輩でありつつ友人と出会えたのは幸運でした。
もちろん、話が進むにつれて、眞弓にとっての瑞希の存在は、ただの友情ではなかったことがわかりますけども。
そういうことにも鈍いというか、あまり気にしないところが瑞希という女性であり、嫌なところでもあり、いいところでもあるなあと思っています。
一般的にみなさんがどういう主人公を描くかは、私はよくわからないのですが、自分の分身であるとか、理想的な人などを描く人も多いのではないかと思います。
その点で、この作品では、著者は自分が嫌いな、できれば近づきたくはないタイプの人を主人公にしています。そんな意図はなかったけど、結果的にそうなっていて、それでも話はちゃんと進んでいます。
また、私は男なのですが、この作品に登場する男が、いずれもろくでもない。カッコいい男は滅多に出ません。8話目でようやく、カッコよさそうな男も登場しますけども……。それなりに情けない。
今後最後の部分に取りかかりますが、ここまでお読みの方にはうすうすわかる対立構造は鮮明になります。それに瑞希は耐えられるのか。どうするのか。
いましばらく、お付き合いください。