悩。
「どうしよう。イケメンも逆ハーレムも書けない、引き出しにないよめいきさん!」
「なんだい、イケメンて」
「粋な男のことですかね」
「どんなクズにもかっこいいとこはあるもんさ。それを見つけるのも女の器量ってもんだけどね」
「そりゃアバタもエクボってやつでしょう」
「そうかもしれないね、はーれむってのは何だい?」
「カクカクしかじか(逃げた)」
「ハーレムだろうが逆だろうが、自分に置きかえてみればいいじゃないか」
「妄想で?」
「ちやほやされんのはいい気分だよ」
「いや、そういうのとはちょっと違…」
「ま、あたしゃたった一人に認めてほしいだけだけどね。言ってることわかるかい?」
「?」
「あいつは鈍感だけど、あいつにとってのハーレムはあたしさ」
「言い切ったねー」
「んふふ、気付かないとこもいいけどね、気付かせるのが面白いからねぇ」
「あ、もう十分です、めいきさん」
「なんだい、愚痴くらいお聞きよ」
「だって、それ、ノロケでしょ!」
でも、ちょっと落ち着いた。 完
続。
性懲りもなく、もう一方にも聞いてみる。
「イケメンと逆ハーレムが書けません」
「失礼ですが、どなたですか?」
「…ホ…」
「ほ?」
「ホイコーローっ!!」
「……(帰りたい)」
「失礼。物書きをしておりまして、イケメンが書けないんです」
「なぜ私に尋ねるのか分かりませんが、頑張って下さい」
「ハイ。あと逆ハーレムが……」
「後宮小説をお書きになるんですか? 逆とは何のことでしょう」
「男女が逆」
「……華国の少数民族の中には女系も多いです。一妻多夫は珍しくありませんよ?」
「うぅーん、例えばめいきさん一人に色んな男が言い寄るような」
「なるほど。それなら、めいきさんに聞いた方がいいと思います」
「この野暮天!」
「……(怒られた)」
完