「地球押し」という、クイズ番組『東大王』内で使用されている言葉がある。
『東大王』では地球から徐々にズームインしていく映像を見て世界遺産の名称を答えるクイズが度々出題されており、地球の引きの写真が現れた段階でボタンを押すことを「地球押し」と呼ぶ(誰が言い出したかはよく分からない)。本当にそれで正解が分かるのか?と思うものだが、彼らは地球の中心部分に写っている国に目星をつけ、そのあたりに存在しているクイズに出そうな世界遺産を解答しているのだ。
私はこの地球押しという言葉が大好きだ。「超難問!」というコールが響き、地球の画像が出る。ボタンが鳴る。そのとき、アナウンサーが叫ぶ。「出た!地球押し!!」当然のようにその言葉を使う。説明もなく使う。もしかして辞書に載っている言葉なんじゃないかと錯覚してしまうくらいだ。
必要とされて言葉が誕生し、定着する、尊さ。表したいことに最も近い言葉を探して、存在しなければ、作る。ギャルがすぐに自分達の流行語を生み出すのと同じだ。
言葉と文化があって、変わっていくさまを面白く感じる。ずっと見ていたいと思う。