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ふたりのアナカオナ―「カリブの時の島」

「アナカオナ」という名前は、
実在したインディオの女王アナカオナから名付けました。

「カリブの時の島」のアナカオナではなく、
ここでは女王アナカオナについて書きます。

イスパニョーラ島には五つの王国がありました。
そのうちの一つ、マグワナ王国の王(カシケ)の妻がアナカオナでした。

マグワナ王はコロンブスの指示により捕らえられました。
スペイン行きの船に乗せられますが、船もろとも海に沈んでしまいます。

アナカオナは捕らえられた夫のもとを去り、
兄が統治しているハラグワ(あるいはサラグア)に移ります。

この兄妹はスペイン人に友好的でした。
兄が亡くなると、アナカオナは女王となりました。
アナカオナは引き続き、スペインの支配を受け入れます。

ところが、女王アナカオナの忠誠に不審を抱いた男がいます。
それが、ニコラス・デ・オバンドです。

オバンド総督の時代は、
先住民に対して最も過酷な仕打ちをした時代と言われています。

女王アナカオナはスペイン人に友好的でしたが、
彼女の一族の中には反抗的な人達がいました。

オバンドはそれを見過ごせなかったのです。

女王アナカオナはオバンドを歓待する宴の途中で捕らえられ、
絞首刑となりました。

悲運の女王、アナカオナ。
現地にはアナカオナの名前がついた道やホテルなどが今もあるそうです。

アナカオナより知名度は劣りますが、
「グアティグアナ」も実在したカシケの名前です。

スペイン兵に捕らえられた後、脱走し、戦いを挑んだ勇敢なカシケ。
勝つことはできませんでしたが……。


ついでなのでスペイン人キャラクターの名前についても。

フェルナンド・ヒロン
「フェルナンド」の語源は「旅と冒険」

「ヒロン(Girón)」の語源はわかりませんでしたが、
スペイン語の「ヒロ(giro)」に音が似ているので採用しました。

「ヒロ(giro)」は「回転」という意味です。

また、「フェルナンド」と同じ語源の名前が「エルナンド」です。

他のキャラクターは……
人名表を眺めていて直感で選びました。
直感も大事。

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