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【自主企画参加用記事】「河越夜戦」への感想【企画主さま感想書き込み用記事】

【ご注意】

この記事は、自主企画「大正時代までを舞台orモチーフにした作品、集まれ!」への参加用の記事で、企画主さまが拙作「河越夜戦」への感想を書き込むための記事です。
自主企画URL: https://kakuyomu.jp/user_events/16816452219023492203


【冒頭1万文字以内に出てくるなかで一番好きな登場人物と台詞】

登場人物:北条孫九郎綱成(地黄八幡)

台詞:「新九郎……この双つの杉を倒すという、じい様の夢、果たせるかな?」


【備考】

率直な感想をお願いします。


以上です。
それでは、よろしくお願いします。

2件のコメント

  • 四谷軒さま

    またまた拙作に★を賜りまして、本当にありがとうございます。
    難しいお題で苦労したので、つぎはシンプルにして欲しいです。
  • いやはや、結構な大作でした!
    こういう作品に出会いたいがために、この企画を立てたようなものです
    ご参加ありがとうございました

    さて、あとがきを読みまして、想定読者層は中学生前後の子どもたちであるとのこと

    「中1男子、好きな武将は数多く、兵法などにも興味があるが、合戦を離れた当時の歴史風俗や社会制度はまだまだ不勉強」
    という少年になったつもりで、この物語を読ませていただきました

    しかしながら、どうも当作は一読の限り、
    40代以降の男性をターゲットとした方が向いているように思いました

    四谷軒さん自身、歴史小説を歴史の二次創作になりがちだと評されましたが、
    二次創作ゆえに助けられている点もあるかと思います

    歴史小説の読者は、既に史実や先行作品からの共通イメージを受け継いでいます
    ですから、作中で改めて、合戦場の様子や信長の為人などを説明する必要はない
    単語が記号化している、とでも言えば良いのでしょうか
    実に省エネな文章で、お話を進められる利点があります

    当作も、作中世界を構成する単語への説明が圧倒的に不足しています
    さにありながら、当作が多くの人々に読まれているのは、
    読者が「戦国時代」の共通イメージを持つ歴史小説上級者だからでしょう

    当作は一方で、説明過多でもあります
    とにかく、「原作のおさらい」といわんばかりに、固有名詞と因果関係が書き連ねられています

    作品に要求される事前知識が多く、作中では解説がなされないままに非日常用語が用いられる
    この二点において、当作はコア層向けの二次創作に近いと言えるでしょう
    ビギナー少年向きとはいえません

    子ども向きに平易にしろ、とのことではありません
    読者に知ってほしいこと、よりも、
    読者に知りたいと思わせることを優先させるんです

    例えば、「双つの杉」の冒頭ですが、
    いきなり読者は知識量、読解力、記憶力を試されています
    地名、来歴、家名、人名、因縁……

    ところが、「孫九郎どの、孫九郎どの」との台詞から始まるとしたら、どうでしょうか
    え、なんか戦始まってるの? どうして?
    と読者に思わせれば、しめたもの
    難解な説明も読者にとって知りたい情報になります

    綱成が伏兵に耳を澄ませる描写
    臨場感があって、大変引き込まれます
    この場面で初めて、ここがどこで、敵方は誰で、なぜ戦になっているかの説明を挟んでも遅くはありません
    むしろ、読者の情報を求める意識が、綱成の探索の思案と重なりますから、
    説明文を説明文と思わせずに、読者の既知情報に変えることができるはずです

    「軍議は事実上終わったので」〜「竹に雀の軍勢がふたつ」
    この描写なんかは、本当に良いと思いました
    開放的な風景と、それへの素直な感受
    からの一転して、不穏な現状

    それから、田子ノ浦を歩く様子も
    思うに四谷軒さんは、色彩を伴った静物描写がお得意なのでしょうか?

    この筆力を持ちながら、物語の開幕が、
    「戦国時代の合戦場」を映したブルーバックの前で、次々と登場人物を紹介する
    ではもったいないですよ

    当作からは、四谷軒さんの歴史愛と積み重ねられた修学の量を感じられますが、
    それらの表出を一旦抑えることで、小説としての読みやすさが増すかと思いました
    相対的に人物描写の量が増えますから、読者はより物語に没入できるはずです

    四谷軒さんの目から見た戦国時代の風景、土の湿り気から牡馬のいななきまで、
    また、地を踏みしめて馬の口を取った人物たちの五感と心理
    これらを余すことなく伝えるためにこそ、積み重ねた知識と愛が発揮されるものだと思います

    共通イメージとしての○○というキャラクター像から離脱して、自身の○○を描いたならば、
    ○○はこんなこと言わないなんてクレームを恐れる必要もありません

    うるせぇ、ちゃんと読めや
    この生い立ち、この経験、この状況だったら、言うに決まっとるわ!

    と返せるでしょうからね

    さてさて、本当に長くなってしまいましたが、
    お読みくださりありがとうございました

    私自身、自作の想定読者層を一般小説になれた中高生としているため、
    若い世代(といっても、四谷軒さんから見れば、私なんぞはその一員にすぎない小娘なのでしょうが)に読んでほしいとの思い、とても共感いたしました
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