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「真夏の雪だるまー寛政捕物夜話・19ー」連載開始

大門をくぐると目の前に広がるのが、仲の町の大通り。
大通りとはいっても、両側には引手茶屋が軒をならべ、夜ごと花魁道中が繰り広げられる吉原の大広場といってもいい。
毎年の恒例行事のひとつとして、三月朔日には桜を植えて、ここで花見ができた。
折からの猛暑で客が途絶えたので、大門横の四郎兵衛会所に楼主が集まり、何か客寄せの見せ物をする話になった。
そこで、知恵者が
「暑気払いに真夏の雪見をやろう」
といい出した。
大勢の大工と植木職人が、仲の町のど真ん中に大木を何本も運んできて真綿で飾り、根元には片栗粉を敷き詰め、たったひと晩で雪景色を作った。
【第一夜から抜粋】
「寛政捕物夜話」が今夜カクヨムで再開しました。
https://kakuyomu.jp
浮多郎の捕物帖をお楽しみください。
最後に東洲斎が江戸の悪をぶった切ります!
藤 英二

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