このところの気温の移り変わりを見ていると、陽の光というのは偉大なんだなと感じます。昨日は暑すぎ今日は涼しすぎです。もう少し安定すると体に優しいのですけどね。
さてSchutz von Ledoは六章が終わろうとしています。残された物語はそれほど多くありません。現時点で書き残しているのは業歪によって揺らいだ世界の行く末とレドの旅の結末くらいでしょうか。
さて、作中でシュヴァンレードの完全な能力が表されたので、ここで特定キャラが持つ異能(所有する権限)について説明を入れます。
まずシュヴァンレード(星光)の権限は「記憶」。歴史を生きた人々の知識や経験を蓄えて、自在に引き出す能力です。武器になっているのは彼が現在戦いの場に身を置いているからで、記憶が残るものならば椅子でもやかんでも自在に形を変えます。
銀で体を覆うのはレドが世界から継承された記憶を持たず、記録にない人間であったことから発現した例外的な形態ですが、次以降はこの形も記録に残るはずです。
次にヘアクンフト(原初)。彼が持つのは「編纂」。蓄積された歴史を整理して組み直し、世界を継続させる能力です。生命に進化を与えるというのは表象的な力に過ぎず、本質は行き過ぎた生命を抑えて新たな生命を育む力と言えます。
ただし彼自身もそういう能力だと気づかずにいます。レドが手を差し伸べるべき新たな生命であると無意識でしか理解出来ないから彼は積極的に手が出せず協力も出来ませんでした。これは意図的な欠陥と呼ぶべきもので、彼はその欠陥に気づかないまま死に再生される定めなのですね。これについては完結後にでもまた話したいです。
そして、業歪(実行者)。彼女の役割は「進行」、事象を制御し実際に反映させる力です。非常に強力な能力で作中を見ても分かる通り狙われた(対象にされた)なら逃れるすべがありません。しかも他の異能に対して制約を課すことすら可能で、その力でシュヴァンレードの力をレドに結びつけることで弱体化を狙い、ヘアクンフトの権限を停止させて使役したりとほとんど万能の力と言えます。
欠点を上げるとすれば、規模が大きい変更を実行する場合には彼女自身の力では足りずに生贄が必要であることと権限を行うための呪言を唱える必要があること、またその実行が必ずしも許されずに失敗することもあることなどが挙げられます。
人ひとりを変えるくらいならさして難しいことはありませんが、ケイニアの事件のように大掛かりな仕込みをする場合はとにかく生贄か必要で、だから強硬手段に出ざるを得なかったわけです。ですが、ヘアクンフトと巨人の召喚をほぼ同時に行ったことで現在の彼女はかなり弱体化しています。そこまでして果たすべき目的が何なのかは少し後に明かされるはずです。
最後にレドについて補足します。作中で述べている通り、彼女はそれまで世界に記録されたことのない人間です。いわば彼女は「白紙」あるいは「無垢」な存在であり、それまでの世界に関わる事象から隔絶されています。そのためにあらゆる制約を受けながらもそれを取り込み自身のものと出来るわけです。文字通り器量の大きい人間と言えます。
こんなところでしょうか。レドについてはまだ語れることはありますけど、物語が完結してない状況で語るのは行きすぎかなと思い多少削りました。ただ、すべての物語を読み終えたのならば、書かずとも分かる話ではあるかも知れません。
Schutz von Ledoは六月末までの完結を目指しています。これは今応募しているドラゴンノベルスコンテストの締め切りです。今のペースなら間に合う目処は立っているのでしっかり更新をしたいと思います。
それには健康も大切です。暑さ寒さが目まぐるしく変わるまで最近のこと、皆様もお体を労りお過ごし下さいませ。