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東雅夫 編『日本怪奇実話集 亡者会』読了~♪

 つい最近読んだ『怪奇・伝奇時代小説選集(3)』同様、実話怪談界のレジェンド・田中貢太郎から始まるが、本書は小泉八雲や芥川龍之介、泉鏡花などの文豪の実体験記へと続いていく。なかでも同じ〝化物屋敷〟に住んでいた頃の体験をつづった佐藤春夫「首くくりの部屋」と、稲垣足穂「黒猫と女の子」が興味深かった。話自体は佐藤春夫がこれを小説化した「化物屋敷」(『日本怪談集 奇妙な場所』所収)で知ってはいたが、ある種の〝生々しさ〟があって、その違いが味わい深い。件の〝化物屋敷〟は渋谷の道玄坂にあったという。いったいどの辺りなのだろう? 探訪してみるのもちょっと面白いかもしれない。
 奇怪な人間消失事件を紹介した黒沼健(あ、「空の大怪獣ラドン」の原作者ね)「雲散霧消した話」には、何とあのクトゥルー神話のH.P.ラヴクラフトが登場。でも、ラヴクラフトは別に〝消えていなくなって〟はいないんだけどなぁ。普通に(?)病気で亡くなってるし。ま、この辺の〝いかがわしさ〟〝胡散臭さ〟がまた〝昭和の実話読みもの〟って感じで、これはこれでいいのかもよん😅

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