全15巻中、これのみ実話怪談界のレジェンド、田中貢太郎の編によるもの。小泉八雲も取りあげた「轆轤(ろくろ)首」「狢(むじな)」「おいてけ堀」、ダイジェストの「円朝の牡丹燈籠」「南北の東海道四谷怪談」等、主に江戸期以前の話が収録されている(一部、明治以降の話もあり)。
現代の眼からすると説話的というか虚構性が高くてどれも実話とは感じられないのだが、いやいや、その当時の人々からしたらこれはこれで身近でリアルな話だったんだよなぁ……と思いなおす。ということは今、我々が身近にリアルに感じている実話怪談も、何十年何百年と時代が経れば同じようにその時の人々には虚構性高くとらえられ、リアルには感じてくれていないかも知れない。
それはそれとして巻末の、天理教教祖・中山ミキの生涯を描く「天理教物語」は異色。