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#0000FFを識る 制作秘話・裏話

 ※本編を読了後に、あとがき的な感じで読まれることを強く推奨いたします。 
 今回は、第二回あたらよ文学賞に応募した拙作(二次選考通過ならず……)
 #0000FFを識る の制作秘話・裏話・小ネタ等々を書いていこうと思います。

こちらが作品のURLになります↓
https://kakuyomu.jp/works/16818023211809160088/episodes/16818023211809163558

 そもそも、このあたらよ文学賞を知るきっかけとなったのは、文学フリマ福岡にて本を購入させていただいたフォロワーさんのポストでした。
「なるほど……プロアマ不問で、3000~15000字で、ジャンル不問、テーマが『青』か……」と思いながら、ジャンル不問ならばいっちょやってみるか! と思い立ち。
 早速構想を練ることに。しかし、これが相当に難航しました……。
 当初は、青から連想されるものといえば、非常にありきたりな
 ・空
 ・海
 くらいしか思い当たりませんでした。あとは
 ・青臭い
 ・青二才
 等の言葉。んー……これだと、普遍的ではあるけれど、それ故におそらく多くの方が題材にされるだろうな……と思いました。↑に上げたようなキーワードで書くと、確かに話のとっかかりを作ることは、少なくとも苦労はしなかったでしょう。しかし、多くの方が題材にされるということは、つまり。同じ土俵(キーワード)で戦うことになるわけで。そうなると必然的に、突出した何かがないと、選考を突破することは難しいのではないか、と考えました。そこでしばらく、とっかかりすら掴めない日々が続きました……そんなある日。
 (詳細は伏せますが)仕事でとある商品を手に取った時のこと。その青い商品の注意書きを見て「これだ!」となりまして。
 おそらくですが、多くの方が「青」というテーマから、「青」からイメージした何かや、「青」をモチーフにした何か、を起点として物語を組み立てられるのではと思いました。たとえ、それが現実にあるものでも、創造したものであっても。
 それはつまり、「青」を”スタート”にしているということ。ならば。
 逆に「青」を”ゴール”にするのは、どうかと思いました。「青」が何か分からない、というところを物語の起点にして、「青」がこれでした! という〆にすれば、多少なりとも他の方の作品とは差別化を図れるのではないかと。
 この時点で、大体の方向性は定まったので、
 青がゴールになる話→青を知る→もうちょっとひねりたい→カラーコードにするのはどうか。知るも識るの方が、より刺さるのではないか→#0000FFを識る
 と、なりました。拙作の中では数えるほど……というか、おそらく初? タイトルから決まった物語でした。
 ちなみに、カラーコードが全角なのも、細かすぎるこだわりポイントが。当初はバランスを考えてカラーコードの部分は半角にしていたのですが、文芸ムックあたらよ創刊号の表紙を見てみると、作品名や作者名が縦書きになっていたため、(受賞した際に拙作が掲載されると仮定して)半角だと#0000FFが横向きになってしまうという懸念から、全角でのタイトルとなりました。いやぁ、細かすぎるこだわりポイントですね。
 話を戻しまして。そこから、青という色そのものに着目し(着色し)、青は心理学的に食欲を減退させる効果があるということを知りました。青を識る。食欲を減退させるということは、食卓を青で彩れば、食べる量が減り必然的にダイエットにつながるのではないか→カラーダウンダイエット という言葉がここで生まれました。
 そして、ダイエットといえば、若い女子中高生にとっては永遠の課題のようなもの。そして、現代の若者にとっては切っても切れないSNS。
 しかし、カラーダウンダイエットによって、過去には甚大な健康被害が報告されていた→「青」という色の廃止を決定。ただし、色そのものは排除のしようがないので、事実のみを闇に葬り去る形にして、時が来ればタイムカプセルを開けるかのように、再び「青」を取り戻す。風化した歴史を新しく塗り替える物語を。
 その役割を現代の若者にやってもらおう→SNSで募集すれば良いんじゃないか?→そうするとなると、組織的なものが必要だな? →そうして、架空の組織として「色彩策定委員会」が発足しました。
 裏設定というか没案というか、実は柏木先生は色彩策定委員会側の人間だという裏設定があるのですが、これを作中に落とし込もうとした時に、文字数の制限に引っかかってしまい、あえなくカットをする羽目に。そして、色の名前を募集するといった色彩策定委員会から、内部の人間が圧力をかけてくるとか、何らかのちょっかいをかけてくるだとか、そんな展開も実はあったりしました。
「青春」で(一旦)〆るのは、書きながら咄嗟に思い付いた案であり、当初の予定では、ありませんでした。浅葱が書いた絵画も、もっと凝った絵画で「青」がめちゃくちゃ映える設定だったのですが、タイトルをぬりつぶして、「青春」を表現するにあたり、すごくシンプルな絵画に掛け変えることになりました。あの絵画は、もう日の目を見ることはないでしょう……。
 そうそう、浅葱 や 瑠璃 等の苗字や名前は、言わずもがな青系統の名前をそのまま引っ張ってきました。青を知らない子供たちなのに、青にちなんだ苗字や名前を付けるという、どこか皮肉めいた意味もこっそりと(あるいは堂々と)忍ばせてあります。
 そんな紆余曲折を経て、応募サイトから応募した拙作は見事に一次選考を突破し、審査員の方々による講評もいただくことができました。公募に限らず、世に出す以上は自分の中で設けたある一定のライン以上のものを出さないと(一部例外有)とは思っていて、この作品も一旦最後まで書き終えた後二カ月ほど寝かせ、その後改めて細部を見直し、応募に至ったので審査員の方々には感謝しかありません。
 Ⅹで告知していた通り、今回は講評を読んだ上で応募時のまま、そのままを投稿しました。講評をいただいたのは非常に嬉しく、今後の創作の糧にします。
 ですが、今回はこの形で一次選考を通過できた、という記念の意味も込めて、そのままの状態で投稿することを決めました。
 最後に。あたらよ文学賞に関わる全ての方々へ。最大限の感謝を込めて。
 そして、どうか。拙作が読者のあなたにとって「面白かった」と一言でも思ってもらえますように。
 それでは、また次の更新にて~ノシ

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