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レンジャー日記 制作秘話・裏話

 今回はタイトル通り、昨日投稿したさなコン2024の応募作
 レンジャー日記 の制作秘話・裏話をつづりたいと思います。
 (↓から読めますb
 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22197755

 今回は、課題文が
 見返した日記には、一ページだけ意味のわからない箇所がある。
 ということで、特にひねりもせず「日記」というワードだけを抽出して、そこからイメージを膨らませるようにしました。元々、少し先に書こうと思っていたアイディアを今回のさなコン2024用に落とし込もうと思ったりもしたのですが、あえて別で新作として用意することに。
 そんな中、She is Legendの楽曲、放課後のメロディを聞いていた時でした。

  思い出すのは工場越しの夕焼けとサイレン
「もーいいかい」って遊び続けた
 あの日のぼくは確かに地球を救ってみせた
 それじゃまたねって無邪気に別れた

 思い出すのは放課後のグラウンドとあのメロディ
 バスケ部がシューズ鳴らし続けた
 あの日のぼくは確かにサヨナラヒットも打ってた
 ベースを踏んでハイタッチをした

 思い出すのは入道雲へと続く用水路
 夏をトンボが連れ去っていった
 思い出すのは永遠に続けと祈った花火
 大学ノートに色つきで描いた

 これは歌詞の一部なんですが
 (入道雲へと続く用水路とか、だーまえさんっぽいなぁ……とか思いながら)
 聞きながらふと、思ったのです。
 これ……なんか、日記っぽくね? と。
 さらに、ここ。

 大学ノートに色つきで描いた

 大学ノート 色付き ……これだ!

 ということで、ここから着想を得まして。
 当初の構想では、登場人物は小学生になる予定でした。本文中で、

 一冊の大学ノートを買ってきて、それでみんなで日記をつけることにした。
『大学ノート』なんていう響きがなんか、大人っぽくて、背伸びしてるみたいでわくわくしていた。

 みたいな一文がありました。しかし、アナログなノートにしてしまうと、物語の都合上、SFっぽい仕上がりにならないのでは? と考え始めて、現在のようなPCやスマホ上のアプリ という設定へと変わっていきました。さらにそれに沿うような形で、必然的に対象年齢を引き上げることになり、全員が社会人になりました。

 そうやって、書き始めた本作の仮タイトルは『回し日記』でした。複数人でやるのに、交換日記はないだろうという流れはそのままですが、なんの捻りもないタイトルですね。一日目の日記には

 今日から友達と一緒に回し日記をつけることになりました。回し という言葉から相撲取りのまわしをイメージしました。そうそう、実は僕、相撲を見るのが好きなんですよね。昔、おじいちゃんに連れられて見に行ったのがきっかけで今では一人でも頻繁に見に行くんですよ。

 という幻の投稿がありました。

 しかし、ここではたと気づきます。回し日記……あまりにもセンスがなさすぎる……。さらに、ルール設定の時点で最初は日記を書く人ごとに文字色を変えるのではなく、各々に適当なマークを振り分けるというルールがありました。
 でも、これだとなんかしっくりこないな……ってか、実際にやるとしてめちゃくちゃ面倒なことになりそうだ……( ゚д゚)ハッ!

 大学ノートに『色つき』で描いた

 これだ……文字色をそれぞれにふるだけで、判別可能じゃないか……。そこから、最初は何人と決めていなかった人数を五人に固定し、さらに五色なら、まさに戦隊モノだろうということで、タイトルが『レンジャー日記』に決定しました。

 そこからは珍しく順調に筆は進み、風の吹くままに執筆をしていたのですが、今回の作品を書くにあたり、一つの懸念点がありました。
 今までずっと、心温まるようなハートフルでハートウォーミングな話ばかりを書いてきたので、少しでも良いから尖った作品……ないし、決してハッピーエンドにならないような作品にしようと。案の定、途中で
 他の四人が主人公を助けるというアツい展開になりそうだったので、逆に四人全員を敵側に設定し直し、主人公をフルボッコに……はしないけれども、最終的に四人側に抱き込むような終わり方にしました。メリーハッピーエンドみたいで個人的には気に入っています。その後の出来事を思えばアレですが……。
 未来の世界線上にいる主人公は六人目として設定しました。戦隊モノだと中盤以降に出てくるじゃないですか、六人目。そんな立ち位置ながら、唯一味方というか、主人公にアドバイスをしてくれる側の人間なんですよね。
 ただ、様々な妨害と世界線という超えられない壁によって、手を差し伸べられる距離には限界がある。
 未来のページを切り取って、少し前の日付のページに貼り付けたことによって、現在の世界線の日記アプリ上にはぽっかりと空いたその日のページ。
 これは割と初期の段階から考えていたことで、元ネタというか構想のきっかけになったのは、西尾維新先生の忘却探偵シリーズの『掟上今日子の推薦文』です。絵画そのものではなく、額縁にこそ価値があったという意表を突くような展開がとても印象的で、それをヒントに該当のページ(二日前のページ)が絵になるよな仕掛けを施しました。その額縁の中に描かれた絵(メッセージ)は未来の主人公が黒文字で上書きした、大切なメッセージ。
 きちんと未来の彼の言うとおりに行動していれば、あるいは助かっていたのかもしれません。
 とここまでが制作秘話であり、裏話であり。
 ここからは、これを書いた上で思ったことをつらつらと書きます。興味のある方のみどうぞ。
 皆さんは、ひぐらしのなく頃に という作品をご存じでしょうか?
 詳細は省きますが、当時高校生だった私はドはまりして新編が出るたびにわくわくしながらプレイいていたのを今でも覚えています。
 原作は、ひぐらしのなく頃に解 祭囃し編をもって一旦の最終回を迎えます。
 鬼隠し編に始まり、祭囃し編まで全八編。この中でどれが一番好きかと言われれば、『皆殺し編』と即答します。なぜか? それはあと一歩のところで……あと一歩というところでバッドエンドを迎えてしまうからです。
 当時、皆殺し編を読み進めながら「ん? 皆殺し編……? 全然そんな気配がないけど……」と思っていたら……アレですよ。
 ただ、一つだけ。羽入がいたら。その部活メンバーの輪に羽入が入っていれば……。というあと一歩が足りずに迎えるバッドエンドというのが、とても好きなんですよねぇ。
 今回改めて読み返してみると(特に意識はしていませんが)そんな感じに仕上がったのではないかと思っております。勿論、クオリティがどうとか、そういう話もありますが、それはまぁ一旦避けておきまして。主人公の彼も、第三者に相談するとかすれば、それこそパソコンやスマホに強い友人に頼るとかしていれば、あるいは違った未来が待っていたことでしょう。
 この作品が尖っていたかと言われば、うーん……というところですが、少なくとも今まで書いてきた拙作とはまた違った方向性へ舵を切れたのではないかと思っています。今後の作品はどうなるかわかりませんが、どんな作品になろうととにかく楽しく創作していこうと思います。長くなりましたが、本日はこれにて。それでは~ノシ

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