いよいよ、来週に控えたスマートニュース×カクヨム「連載小説コンテスト」。ここに応募する予定ではあるものの、手元に置いてある作品が要綱に沿うものなのかどうか。今一度、確認しておきたいところだ。
まず、自前の作品「ぷらとにっく・ぎゃらくしぃ」がどのような作品なのか。また、ソレを選考する編集部が考えるものに値するのか。根本的なところの筋を違えていたら目も当てられないので、言い訳を並べてみる。
そもそもこの作品はSF。サイエンス・フィクション。科学的な考証を架空によって補っているジャンルだ。リアリティから少し外れてしまっている。
対して、求められているものはL-エンタメ。“Learning”(学習)をイメージしたエンタテインメント小説。知識や経験的な学びにも繋がる作品。面白くてタメになる作品を世に出したいとのこと。
何かこう、既に筋を違えている気がする。
しかし、この作品のメインコンセプトを改めると、子作り物語である。
舞台こそ途方もないくらい未来の世界で、宇宙に浮かぶコロニーの中で展開していくのだが、なるべくご都合主義を排他し、子供を作るにあたって登場人物たちが思い思いの葛藤するストーリーだ。
途方もない未来なのに、スイッチ一つで人間が生まれない。
途方もない未来なのに、子作りは今と変わらず性行為。
途方もない未来なのに、人間は人間として生きている。
人類はごく僅かしかいないという事実を突きつけられて、子作りについてを追求するヒューマンドラマなわけだ。
序章はフィクションにまみれた設定やら世界観やらの説明を羅列させただけの資料集みたいなことになっているが、一章、二章と進むにつれて設定の地盤を固めて、フィクションを溶かしていく。
重要な「学習」という面については、フィクションを利用した極端な状況の側面から現実を検証するというSFならではのギミックを入れ込んでいる。
例えば、七十億年もの年月、人間を保存するにはどのような手段・方法があるか、など現実では考えられない考察をしてみたり、三十億年後には何らかの要因によって地球は生物の住める環境ではなくなる、といった小ネタを挟んでみたり。
中には実際に現代にある教本から引用してきたものもあり、よくある異世界モノの魔法といった類のものとは違った要素で、あくまで現実的な観点から物語を展開させている。
よって、本作は子作りに至る人間の心理状況や、架空の状況下における考察などを交えた作品であり、「面白くてタメになる」L-エンタメ小説としての水準を満たしている。
――――と、このように言い訳しようと思う。
実際のところはフィクション面が色濃いので「これは現実ではありえないのでは?」なんてものはザラにあり、「タメになる」とは言えない。
作中、育児教育する場面でも架空の道具を用いているような世界観だ。あまりにもファンタジーが過ぎる。
また、やたら解説のくどい話を番外編として切り離しているのだが、コンテストの定めるところの本編30話内に収まっていないため、主要ストーリーの部分は完全にSFである。
後半にいたっては、とってつけたかのように銃撃乱射しまくりのアクションシーンまで設けているくらいで、編集部から「よくもこんな作品を」などとお叱りを受けても反論できない。黙って左の頬を差し出すしかあるまい。
まあ、まず覚悟を決めて、差し出すは自前の作品だ。