「あきらめたらそこで試合終了ですよ…?」
有名すぎる、漫画『SLAM DUNK』の安西先生の名言。
あなたには、かつて諦めた夢があるでしょうか?
その夢は本当に諦める必要があったのでしょうか?
僕は『日常メモリアル』という作品を書いていたころ、YouTubeよくでダンスの動画を観ていました。その時に偶然見つけた僕がこれまでYouTubeを観てきて一番面白いと思った動画を作っているチャンネルがあります。それが『BBOY(ビーボーイ)革命前夜』というチャンネルです。
この『BBOY革命前夜』というチャンネルのコンセプトを簡単に書くと、
「30歳過ぎのおっさんが無謀にも本気でブレイクダンスの世界大会を目指す」
という内容のドキュメントです。
30歳過ぎて若いころに比べれば体力も衰えてきた。社会的にも自由でいられない年齢になってくる。
それでも、ミッキーマウスみたいな変な髪型のダサい青ジャージを着た革命前夜は、本気でブレイクダンスの世界一を決める「Red Bull BC ONE」を目指します。その軌跡が動画となって描かれていきます(僕の『日メモ』に出てきたダンサーのソウチョーは、かつてこの大会を目指していた。怪我をしてその夢を諦めた時、紅音に「とびとり」に誘われた)。
初めはブレイクダンスってどんなものだろうと、ちょっとした興味で観始めたチャンネルでしたが、僕は徐々に、若くなくても夢に向かって努力する革命前夜やその他のブレイクダンサーたちの姿に気持ちが入っていきました。そこに自分の姿を重ねたのかもしれません。
「Red Bull BC ONE」という大会のために、多くのダンサーたちがしのぎを削ります。日本各地で予選があり、勝ち上がった者たちが本戦を戦い、そこで優勝した1名のみが、日本代表として世界大会へコマを進めることができます。
そのたった一つの椅子を巡って、年齢も十代二十代三十代とバラバラなダンサーたちが、「人生を賭けて」戦います。そして優勝した一人を除く全ての人間が敗れ去ります。
99.9%以上の人間が報われない。それなのに彼らは、どうしてそこまで「夢に生きる」のでしょう?
ブレイクダンスのダンスバトルは非常に激しいパフォーマンスなので、体力のある十代二十代の人間のほうが圧倒的に有利です。それでも夢を諦めず、威厳を見せて若者たちに立ち向かう三十代のダンサーたちがいます。動画主の革命前夜もその一人です。
僕は彼らに勇気をもらいました。夢を追うことに、年齢は関係ない。
僕はこの10年以上、小説家になるためにいろんなものを犠牲にしてやってきて、そしてまだそのスタートラインにすら立てていません。
だけど宣言しましょう。僕は必ず夢を掴みます。
僕の座右の銘は坂本龍馬のこの言葉です。
「世に生を得るは事を成すにあり」
一度きりの人生、夢に生きなきゃ損だ。