『蛞蝓彼氏』全4話構成です。
https://kakuyomu.jp/my/works/1177354054891075522「ナメクジ」の表記に関しては、全て「蛞蝓」にしてしまうとなんだか字面のインパクトに持ってかれそうな気がするので、小説としてのタイトル以外は敢えてカタカナ表記で統一しました。というか私のスマホからだと「蛞蝓」が何故か変換できないし。
ネタ自体は『縁切り神社』や『虫の声』より先に頭の中にあって、なんなら各話タイトルも「字数を揃える」というところも含めて早いうちに頭の中にできていました。あとはストーリーを作るだけ……でしたが、やっぱり「人間と同じ大きさのナメクジがいたらさぞ気持ち悪いだろう」という思い付き一発ネタを小説1本にするのはなかなか大変でした。もう、ハシビロコウみたいな顔して悩みながらどうにかこうにか形にしました。
一応カフカの『変身』をベースにしていなくもないのですが、作中の彼女同様、敢えて「高校時代に読んだっきり」のうろ覚え状態で書きました。なお、ハエ男の映画の出産シーンがトラウマなのは、まんま私の経験です。アレは二度と見たくない絵ですね……
何故か突然ナメクジになってしまった哀れな彼氏に関しては、「こんな姿で生きていても仕方がないし、死んでもらうしかあるまい」と、サイコパスみたいなことを決めてあったのですが、死ぬまでの過程にどう説得力を持たせるかが問題でした。例によって設定ガバガバなので、「この巨体を年単位で維持するのは最初から無理だったんだよ。多分」ということにしてあります。
創作に不慣れだと「世界を滅ぼす」か「自分達が死ぬことで世界を終わらせる」方向で片付けてしまいがちなのかなぁという気がしますが、今回は後者のルートで締めくくりました。「ナメクジは塩で溶けちゃう」からの連想でラストを決めました。というか最後に海を出しておけば綺麗に収まるのです。多分。
『蛞蝓彼氏』を書くにあたっては、主に以下のウェブページを参考にしました。
ナメクジの飼い方 – NetLaputa（伊達 梶乃様）
http://www.netlaputa.ne.jp/~casino/other/howto.htmlこちらのページは、別にナメクジを飼ってみたくない方にも面白く読めるのではないかと思います。ちなみに私は読んでいる間、終始ツボに嵌りっぱなしでした。こういうの好き。
一応のイメージソングはこちら。
『明日もし君が壊れても』 WANDS
https://www.youtube.com/watch?v=XvaV5iSixok「君」は誰を指すのか、「壊れる」とはどういう状態か。基本的には「彼氏」が「ナメクジになってしまった」イメージですが、多分、彼女の方も彼氏がナメクジになってしまった時点で既にどうかしてしまっているし、「君」を「彼女」に置き換えて、「壊れる」をそのまんまの意味に当てはめても嵌るかな、と勝手に思っています。
いろいろ文章を打ってみたりしていますが、次回作については未定です。「何らかのよくわからないネタが降ってくる」のを待っているだけではいつまで経っても何も書けないので、他のアプローチを考えなければ、とは考えています。