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第一回性癖小説選手権に参加しました

3月末で仕事を辞め、「次」の行き先を決めずに辞めてしまったものだから急いで就職活動をして、5月半ばから働き始める運びとなりました。新しい仕事では通勤時間が今までの倍くらいになりそうなので当然早起きもしなければならず、新しい生活リズムに適応するべく身体を慣らしているところです。筋金入りの夜型なのでなかなかしんどいです。


さて、退職~就職活動の、ばたばたしていたつらい時期に開催されていた自主企画に、こちらの作品で参加しました。

参加した自主企画。
【10文字から】第一回性癖小説選手権【2万字まで】https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054894756678


参加作品はこちら。
『引きこもり特対法』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894768702

「性癖といっても、えっちなのじゃなくて良さそうだな」と解釈したので、

性癖:傲慢拗らせ系引きこもりが酷い目に遭う
性癖:きょうだいの確執、暴力

で1本書きました。ぶっ殺して終わりならある意味すっきりしてしまうというかハッピーエンドになってしまうかなと思ったので、ちょっと捻りを入れるという意味も兼ねて意地悪なオチを付けてあります。暴力の描写がパワー不足かな、と思いながら書いたのですが好意的な講評をいただけて嬉しかったです。


以下でちょっとメモというか解説というか。ちょっとネタバレありです。

・引きこもり特対法なる法律

これはいわば舞台装置として設定したものであり、こんなトンデモ法律が施行されてしまうとは思っていません。でも、「誰かにとっての“迷惑”な人たち」に対して、「生きててもしょうがないよね」「いっそ死んでくれれば良いのに」みたいな目を向けられることは往々にしてあるし、そういう考え方を国が認めちゃったらすごく怖いよね、と思います。この法律が施行された近未来の日本はちょっとディストピアっぽいですね。多分私は「ディストピア(的な雰囲気)」も好きです。

・兄妹とその両親

作中で殺し、殺される妹と兄の、親世代にあたる2組のカップルの間にはドロドロの因縁があって、引きこもってしまった兄はそれを部分的には知っていて、「自分の父親を死に追いやった女と、その娘」を憎んでいるし、父親に死なれたことはトラウマになっている、みたいな裏設定があります。字数の制約を一応は守りたかったのと、うまい書き方がわからなかったので、敢えて書かず読み手の想像に委ねる形にしました。

・殺人に対する「大義」の有無

引きこもり特対法はあくまで「引きこもりの、三親等以内の親族」にしか適用されず、作中で兄を殺した妹の行動は「単に赤の他人をいたぶって殺しただけ」になってしまいました。同じ行動をしても大義の有無でその後の処遇が大きく変わってしまう。そういう意味でも法律っておっかないですねぇ。

・隠れてないような気がするシークレット性癖

タグに入れた「共依存」「信用できない語り手」「メンヘラ」がそれです。この話に出てくる兄妹の家は引きこもってしまった兄だけではなくみんながみんなおかしいです。「頭おかしい人しか出てこない話」を書くのもとっても好きです。


働き始めたら自由になる時間が少なくなるので、小説を書くこともあまりできなくなるかもしれませんが、心身に余裕がない時の方が「嫌な話」というのは思い付きやすいし書きやすいものなので、むしろ創作活動が捗る可能性もあります。「どうなるかなぁ、継続して書き続けたくはあるんだけどなぁ」と思っているところです。

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