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『A VICTIM』が読まれなさすぎて、創作論の材料としてリサイクルしようとする男。 230601

どうも。今日で6月1日となり、1年の半分が終わったと語る人が続出していますが、それは7月1日になったら言うものじゃないかなと疑問に思うボロボ郎です。
さて、今回は久しぶりに創作論もどきのノートになります。群像劇をやると決めたので自分の復習がてらやり方を書きたいなと。
それから前作のが全然読まれないって分かったおかげで、ネタバレ上等で話すことができる内容がありますからね!!!
まぁ、読まれてない小説の創作論なんて誰に需要あるんだって話ですが、供養代わりのあとがきみたいなものだと思って下されば。


覚えていますでしょうか。キャラの役割は三層だという話を。
キャラの役割というのはメタ的に重要な順で『作品のテーマと密接に関わる役割』、『物語を進行させる三つの役割』、『ストーリー上の役割』の三層に折り重なった構造になっていると。

その役割の話までが今まで書いてきた内容。そしてここからの話は長そうになるから書いてこなかった『作品のテーマと密接に関わる役割』の内容です。
ですがその前にしておきたい話がありまして。自分はキャラの役割をある種のギミックとして見ているんですよ。

現実にも居るじゃないですか。「この人がいれば場が明るくなるな」「この人がいるとなんだか緊張しちゃうな」「この人がいると喧嘩が起きやすいな」っていう、その人のキャラクターみたいなのが。
それをギミックとして作品に使っているんです。
例えば『主人公のために動くキャラ』という役割のキャラがいるとして、そのキャラは主人公にとっての最善の動きをします。
そしてここが重要で、主人公が危ない目に遭っている時にこのキャラを投入すれば主人公は窮地から救われます。なので「もうやることはやったし、今の展開をそろそろ終わらせたいからこいつを送り込むか」って感じでこのキャラを登場させるのです。
まさにギミックとして使っていますよね。
他にも「場を引き締めたいから厳格な上司役を出す」「キャラ同士をピリピリさせたいから疑り深いキャラを出して場を引っ掻き回す」などなど。
しかしキャラが全員そうではなくギミックが無いキャラも当然います。あくまでキャラは担った役割を遂行するもので、その副産物として役割によってはギミックを持つキャラが生まれるという話。

さて、ここからが『作品のテーマと密接に関わる役割』の話です。
自分が言っている作品のテーマとは作品を通して伝えたいメッセージなどではなく、もっと具体的で作品の大黒柱のようなもの。つまり「この作品で何をしているのか?」という部分。
上手い例が思いつかなかったため拙作の『A VICTIM』という作品を例に挙げるのでめっちゃネタバレします。
この作品のテーマに関わる役割のキャラは三人いました。『黒島摩耶』『藤野凛瞳』『赤嶺あかね』の三人です。

まず藤野の役割は竜胆の花言葉が由来していて、竜胆の花言葉は二つありまして。「悲しんでいるあなたを愛する」と「正義」の二つを藤野は担っています。
「悲しんでいるあなたを愛する」とは主人公の摩耶に向けてであり、つまり藤野は『主人公のために動くキャラ』としての役割を持つわけです。ついでに言うと、摩耶が悲しい目に遭えば遭うほど彼に対しての愛が深まるギミックも搭載しております。

次に赤嶺の役割は『調和を成す者』です。赤嶺が来れば喧嘩やいざこざが収まります。逆に言うと、赤嶺が居なくなった時や気を失った時にトラブルが起きます。
物語のプロローグが赤嶺が気絶したところからのスタートだったのはそういうことだったんですね〜。(誰も知らない)
赤嶺がいれば大抵は丸く収まるはずなのですが、しかし唯一その調和を打ち破るキャラがいます。それが主人公の摩耶さんです。

摩耶のテーマは『調和を乱す者』です。こいつがいなきゃ全てが丸く収まるはずでした。
終わるはずだった話に全くの偶然で巻き込まれて、無関係だったくせに話をぐちゃぐちゃにしやがったこいつはまさに調和を乱す者です。
摩耶と赤嶺が対立すれば赤嶺は負けます。調和を成す者が調和を乱す者にやられるのです。それはとっても悪いこと。なのでそうなれば出てくる者が現れます。

その出てくる者が「正義」であり、それを担う藤野の登場です。摩耶によって赤嶺が倒れた時、藤野が出てきて摩耶を殺します。
摩耶は2回死ぬのですが2回とも藤野が殺しました。どちらも自分の意思ではなく周りの強制によるものですが、直接手を下すのは藤野になります。要は断罪者だとか処刑人の役割です。

「調和を成す者(赤嶺)が動く」→「調和を乱す者(摩耶)が障害として現れる」→「両者が対立」→「調和を乱す者が勝つ」→「正義(藤野)が調和を乱す者を殺す」という構図こそが『A VICTIM』という作品のテーマになっているんですよ。
分かりますでしょうか。つまりこの……こういう構図!どの役割がこうでこれこれだからこうなるみたいな……そんな感じ!
それがテーマです!このような構図を見つけるとシナリオ作りはグッと楽になります。コレをする物語になるわけですからね。ちなみに拙作ではこの構図を2回やっちゃいました。なんと繰り返しも行けます。
しかし、キャラに役割を振るのがまず先ですね。


以上、作品のテーマの話でした。長々とお付き合いありがとうございました。創作論というより自己満足なような気がしないでもない。
新しい小説はいち早くテーマを見つけたいなぁ〜。そしたらすごい楽になるのにな。あーあ!次こそは読まれてーわ!
自分なりに頑張って考えてまあまあこだわって「いい出来じゃん☺️」って思ってても、蓋を開けてみれば全く読まれなかったですからね!包み隠さず言うと、とても悔しい……!見てろよ、次こそは……!

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