こんばんは。
涼しくなったと思ったらまた蒸し暑さがぶり返してきて、思いっきり身体が追いついてきていない奔埜です。
皆さんは、いかがでしょうか。
体調など、崩されないようにお気を付けくださいませ。
さて。
電撃《新文芸》スタートアップコンテストに参加中の
「その花たちは君にほほえむ。(
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886236256)」
ですが。
無事!
締め切り日である八月二十六日に!
完結いたしました!
やったね!
いや別に、八万字を越えていたら完結作品である必要はないんですけれど。
どうせなら完結させたかった……というよりも、最後の一文にすべてをかけていたので、完結させる必要があったのです。
まだ読んでいない方は、吸血鬼、花のような最期を遂げる病、切ない両片想い……なにか惹かれるものがあれば、どうぞ、ご覧ください。
ではでは、作品が終わるごとに恒例となっている、あとがきと言う名のネタバレ、裏話、なんでもありなお話をしようと思います。
ネタバレ厳禁!
な方は、ぜひ本編をお楽しみになってから読んだ頂ければ幸いです。
では、ネタバレ厳禁な方は、勢いよく逃げてください。
……逃げました?
……逃げましたよね?
では、始めましょう。
今回は登場人物ごとに。
お話していこうかと思います。
……念のため。
全員に等しく愛情を持っておりますが、設定の多さやらなにやらで書く量がまったく違う!なんてことになるかもしれませんが、量=愛の重さではないです。
順番は、プロットを書く前に製作した設定表から。
◎瀬戸 沙也加(せと さやか)
実は唯一四人の中で、設定初期からお花が変わっていない子だったりします。
菊の花。
花言葉は「高貴、高尚、高潔」
赤い菊は「あなたを愛してます」
白い菊は「真実」
黄色い菊は「破れた恋」
……なのですが。
実は、花言葉から付けたわけではないのです。
一年の最後に咲く花、という意味がある、らしい……からです。
一年ではなくて、花人病として、そして作中の時間軸だと国内にいる吸血鬼として、最後の一人となってしまった彼女にはきっと合うと思ったため、この花にしました。
彼女が了に恋に落ちるルートも考えてはいたのですが(初期のプロットとかそんな感じ)、なんか違う、となって没に。
そのあと世間の色々を見たり聞いたり、自分の好みと相談したりした結果、薫に恋をする子になっておりました。
初期の苗字は菊からとって、久亀(くき)だったりします。
が、特殊な設定(了は吸血鬼から連想して行って煤に、いばらは作中のような考え方であの名前に)の子以外は、普通にありそうな名前にしよう、と決めたため、没に。
◎園田 秀(そのだ しゅう)
あのですね。
実は一番最後のプロットの、「最後に。」に当たるところで。
秀と沙也加、結婚してることになってたんです。
……まあ、諸々の関係で式は挙げてないけれど、みたいな。
だけど流石にここまで薫と沙也加をいちゃいちゃさせたあとに他の男とくっつけたら、「おいこら」なことになりかねないな、と思い、急きょ変更し、そういう関係ではない終わり方になりました。
精霊さんとは、最初の頃は喧嘩が絶えなかったのですが、今はよき相棒、みたいな関係です。
最初は一人称私→俺だったのですが、友人に、「語りから入るのなら性別見えないから女性として読んじゃう」と注意されて、僕→俺になりました。
◎煤崎 了(すすざき りょう)
彼は最後までずっと花を迷っていました。
最後はムスカリとローダンセで悩み、ローダンセになりました。
「明るい未来」が花言葉のムスカリも、希望があっていいな、と思ったんですけどね。
ローダンセの花言葉は、「変わらない思い、終わらない友情」
……変わらない思いがなんだったのかは、色々と想像していただけると嬉しいです。
了ですが、最期のほう。
薫に言ったこと、沙也加に言ったこと、そしていばらに言ったこと。
どれが本心だったのか、ですが。
……いばらに言ったようなことを沙也加にする気はまったくなかった、とだけお伝えします。
ずっと抱え込んで抱え込んで……一番手を差し伸べてあげたかった子なんですけども、気付いたら後半に行くにつれて彼の出番が減っていくという……。謎でもなんでもなく、恋愛小説で、お相手にしなかった時点である程度は減っちゃうんですよね。
やらかしたなあ……と。
だけど後半に出番を与えまくると、彼、いつ地下室のあれをやってるの?!なことになりかねなかったので、よかったのかも?
そういえば。秀と了だけは、初期から名前が変わっていないです。
◎諏訪 薫(すわ かおる)
女装男子。だけど薫の中では自分が生物学上男なのは理解しつつも、宙ぶらりん、という設定でした。
ちなみに、初期の名前は諏訪さつきでして。
そのまま最終プロットまで書いていたので、薫薫……いない?あ、ちがう、さつきが薫だ!と地味に面倒なことになっていました。
お花はアセビ。
花言葉は「犠牲、献身」。
花言葉の由来なんですけど、英語でアセビは「日本のアンドロメダ」と呼ばれるそうで。
……彼女の場合は、助けが現われますが、薫にとっては……助けに……なったのか……?
ちなみにこの子が一番設定長い。
なぜか設定もりもりの了よりも長い。
……設定に、「そこまで身体が丈夫じゃないので体育もほぼ見学」って書いてあって、なんか、最期のほうで全力疾走させて申し訳なさがすさまじい。ごめんよ、薫。
両親からは女の子の薫、として見られ、クラスメイトからは女装好きの変な男子として見られ、自分はどっちに落ち着けばいいのかわからず、な状態でした。
沙也加と了は、薫のことを、男としても女としても見ていると言えるし、見ていないとも言えるような感じ。二人は、お互いのこともそうですけど、性別関係なく、薫は薫、として見ています。だから二人は絶対に、薫のことを彼、とも、彼女、とも言わない。
対するいばらは、まだ人間として生き始めたばかりなので、女装男子も、オネエもなにも知らない子です。だから男か、女か、で無意識に区切ってしまうので、薫のことは男として見ています。だから、心の中で彼、と呼んでいます。(そんなシーンがあったはず……)
人には人の生き方があって、犯罪に関わってくるようなものではない限り、幅広くそれが受け入れられていけばいいな、と思います。
◎蒼美 いばら(そうび いばら)
元々は須藤さくらって名前だったんです。
吸血鬼の苦手な物である薔薇の花を出す気がなく(棘に浄化の意味があるため、吸血鬼は苦手)、そして私が桜が好きで、なおかつ、儚くていいな、とか考えてました。
だけど結局、薔薇です。
吸血鬼である了にトドメを刺してしまう、と言う意味でも、いいんじゃないか、と。
ちなみに、吸った花人が枯れるのも、そこから来ています。
……食べた沙也加が生きているのは突っ込まないでください……。(おい)
なによりも、人工的に作られた花人、という設定ができたときに、あ、じゃあ彼女はきっと、蒼い薔薇だな、と思ったので。
ご存じだとは思うんですけれど、ざっくりと。
蒼い薔薇は本来自然界には存在しておらず、人工的に作られたものです。
初期設定は、いろんな人に血を吸われ尽した桜の花人のクローンだったんですけど、クローンをお偉いさんが作って……って考えたところで頭の中がプシューッとなったので没になりました。
あと、守りたいと思って使った手段が、守りたい人にとってのトドメとなってしまう展開が……好きだったり、します(超絶小声)
蒼い薔薇の花言葉は「夢がかなう、不可能、奇跡、ひとめぼれ」
唯一博貴と秀だけ呼び捨てする彼女ですが、彼女にとって二人は家族のようなものなので、そういった呼び方になりました。
あと、人間になりたての頃に、君、とか、さん、とか知らなかった。
(花屋の店主が言っているのを聞いてはいたけれど、名前の一部だと思ってた)
◎瀬戸 博貴(せと ひろき)
唯一名前があるのに設定表に載ってない人です。
むしろ、原稿を書き始めたときは名前を出す気がまったくなかった人。
お姉ちゃんが大好きな子です。
ちなみに、秀が沙也加を見つけたことは、ずっと知らず。
秀が話し始めて、沙也加が生きていることを知った子です。
本編のあと、きっと急いで会いに行ったと思います。
ちなみ沙也加は秀の家に匿われています。
今回のお話は、
・自分の好きをとにかく詰め込む。
・情けはできるだけかけない。
・最後の問いかけに、意味を持たせる。
を、心がけていました。
語りから入るお話は初めてで。
むっちゃくちゃドキドキしていました。
説明文が苦手なので、わかりやすくしようと思ったら、あれしか浮かばず……。
自分の好き、をたくさん詰め込んだので、独りよがりになっていないか、だいぶ不安だったりします。
でも、苦しかったけれど、楽しかった……というと、語弊があるかもですが、楽しかったです。
さくらのまち(
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881444178)とか特に情けというか、我が子可愛さでかなり主人公を甘やかしてしまったので(それが逆によかったかな、と思える雰囲気の作品ではありましたが)、今回は頑張って心を鬼にして書きました……。
たぶん心を鬼にできていなかったら、四人とも救っていました……。
もう、途中で、ここのセリフ、こう変えて、ここでこう動くだけで、この後の展開こうなって、あの子は救われる!救われるけれど……あんたが書いてるの、そういう話ちゃうやろ!と、何度も何度も言い聞かせていました。
最後の問いかけは……。
このお話、実は公募作品を書く傍らで息抜きに書いていた物が元になっているんです。
息抜きに、自分の大好きな物優先で、設定無視して書いちゃろ!みたいな。
それをもとに作り直した際に、「これを伝えたい」というものが出てきて。
それを伝えたいけれども、でも、それと同時に、沙也加たちがどうなるのか、その最後を、読者の方にゆだねたい、と思いまして。
最後の問いかけができました。
連載開始のときって、確かキャッチフレーズも最後の問いかけに近いものだったはず。
そのあとジャンル変更に伴って今のキャッチフレーズになりましたが。
普段やってこなかったので、伝えたいことを物語に載せて伝えることが本当にへたくそで。
最後、上手くいかなさ過ぎて、「ええい、直球で行くわ!」と、もう、言葉を選べなくなりました。
秀、ごめんよ、とばっちりやな。
そういえば今回、笑みの表現のレパートリーがあまりにも貧相すぎて、無茶苦茶泣きたくなりました。
もう少し増やしたい。
他の表情の表現も。
彼女たちの最後ですが、委ねる、と言っておきながらなんですけれども、「君」が彼女なのか、彼なのか、それとも弟なのかは……想像にお任せするとして。
きっと、「花たち」が「君」にほほえむような、そんな結果に落ち着いてくれたらいいな、という思いを込めて、このタイトルになっています。
……私自身は、「君」を彼女として考えていたのですが、よくよく考えると、彼女は「花」でもあるよなあ、と思ったら、また別の考え方もできるな、とか感じまして。フラフラしてる作者です。
作者自身がこんなんなので、いろんな部分を、自由に読んで頂けたら嬉しいです。
みんな手放しに幸せ、ハッピーエンド!……な終わり方ではありませんが、なにか感じていただけましたら、幸いです。
ここまで長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
奔埜しおり