• 異世界ファンタジー
  • 現代ドラマ

楽しかったです

 現在連載中の「三十路の魔法使い」の方が全然更新進んでいない一方で、仕事からの帰宅中にふと浮かんだ小ネタで一本書いてみたくなり、衝動的に書いてしまいました。
 高柳の書く作品としては珍しい短編です。

「孤高の死神」

 毎度お馴染み異世界ファンタジー系の作品ですが、カニバリズムを題材にした結構異質な物語だと思います。
 食べた人間の力を取り込んで強くなる異能とも呼べる能力を持った『孤高の死神』の異名で呼ばれる一人の英雄と、そんな彼を師事して慕う冒険者志望の普通の少年との出会い。やがて少年は英雄から全てを受け継ぎ、冒険者となって世界に旅立っていく……そこに至るまでの出来事を綴っています。
 カニバリズムって、血とか内臓とか生々しさとか、一種のグロテスクなイメージとは切っても切り離せない言葉ですよね。どうにかそのイメージをひっくり返せないかと考えた結果、生まれた作品です。
 カニバリズムが題材であるが故に血や内臓の描写や人喰い描写は避けて通れないものではありますが、割と万人受けになるように描写はできるだけソフトにして(といっても高柳の感覚なので一般とはズレている部分もありますが)書いたつもりです。
 ファンタジー作品に勇者や魔王が出てくるのはもはや王道ですが、何処か今までとは違った世界観を味わって頂ければな、と思っております。
 書いている間は楽しかった! 完成させるために丸一日費やすことになりましたが、書いて良かったです。
 苦悩と葛藤が渦巻く悲劇の英雄と大人に成長していく少年の物語。お手に取って頂ければ幸いです。

1件のコメント

  • きぐるみ女神Qさん

    コメントありがとうございます。
    カムイがノエルの亡骸を全部食べてしまったのは、能力を継いだことによって生じた一種の飢餓感と異常な食欲を抑えきる自制心が、この時点での彼にはまだなかったからという理由があります。能力を継いだばかりでそれを制御する力まではまだ備わっていなかったからというやつです。
    因みにノエルの墓についてですが、作中には結局出てきませんでしたが、後にカムイが街の共同墓地にノエルの遺品を埋めて作ったという隠れエピソードがあります。わざわざ遺品を持ち帰ったのにはそういう理由があります。
    とはいえカムイはノエルの魂は自分の中で今でも生き続けており、常に隣にいるものと信じているので、墓参りに来ることは滅多にないのですが。
    後日談という形でその辺の部分も描ければ良かったかもしれませんね。
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