三十六話投稿です。
https://kakuyomu.jp/works/16817330668475992132本作会話シーン多いなと思う今日この頃。
カクヨムにインするようになってから追いかけてきました作品が完結しましたので今回はそのお話をします。
「アンデッドな彼女〜転生崩れの同僚がゾンビになって出社してきた〜」
https://kakuyomu.jp/works/16817330667736303992佐和己絵千さん
過去にもノートで紹介したこともあるのですが、完結されたと言うことで改めて語りたいなと思いました。
ここにお立ち寄りになった方、是非ご一読下さい。
主人公の前田廉太郎の一人称視点で語られます。
無趣味、無個性、素人童貞の冴えない男だ。とのことです。
対するヒロインは前田さんの会社の同僚である乙成あいりさん
一言でいえばオタク女子ですね。
「天網恢恢乙女綺譚」という作品の兜々良蟹麿というキャラクターをこよなく愛しているようです。
前田さんが例の感染症でダウンし後に復帰するも、ゾンビのような変わり果てた姿の乙成さんと再会することになります。
乙成さんのゾンビ化が危ぶまれる中、救世主となったのは前田さんの声。兜々良蟹麿の声とそっくりなんだとか。
前田さんの声を聞く限り乙成さんのゾンビ状態が浄化されていくようです。
この事実を知ったことにより、前田さんは乙成さんに定期的に声を聞かせるという役が回ってきます。
果たして乙成さんはもとの姿に戻れるのか、そして二人のオフィスラブの行く末は……。
という物語ですね。
一見乙女向けのお話かなと思いきや、誰でも楽しく読める作品となっております。
一応ゾンビものではありますが、ホラー要素はなく終始コメディ調で語られます。
肩の力を抜いて読んでOKだと思います。
作者である佐和己さんの好きな物が詰め込んであるんだろうなと感じます。
近況ノートも拝見させていただくのですが、ご自身でも絵を描かれたり、コラボカフェに行かれたり、ぬいを作ってみたり。
乙成さんの日常を覗いているような気分になりますね。
本作の発案もご友人の言葉がきっかけなのだとか。
乙女ゲームの世界に転生したい、転生に失敗してゾンビになってもちゃんと出勤するからねと言われたことが起点となっているようです。
ご友人含めて本当に創作を楽しんでいるのだと思います。
書き手の端くれとしてはこうありたいものです。
作中に出てくる赤ブー(乙女向けのコミケみたいなもの)だったり、婚活パーティーだったり。
ご自身で体験されたことを作中に出されているので、私が酸化した訳でもないのにとても解像度が高い描写だなと感じる場面が多々ありました。
本作を彩るのは魅力的な登場人物たちですね。
普段はきびきびしているけど実は乙女な上司。
女の子にもてるけど男の娘な弟。
乙成さんのオタク仲間。
とにかくうざい義父(?)
などなど、前田さんの突込みが冴えわたることになりますね。
1つお気に入りのエピソードを上げますと、86話の「人生初の贈り物」でしょうか。
詳細は避けますが、乙成さんといい感じになっているところに上の義父が割り込んでくるんですよね。
前田さんには気の毒ですがまだまだゴールインさせないぞと言う矜持を感じました。
義父のうざさはあれど、前田さんのふがいなさも問題あるよな~とかにやにやしてしまいました。
さて、書き始めたらきりがありませんのでこの辺りで締めさせて頂きますが、本当に楽しく読ませていただきました。
ありがとうございました。
佐和己さんの今後のご活躍を応援いたします。