「ギルダ、あるいは百年の空白」第5章完了いたしました。
https://kakuyomu.jp/works/168173306506543090524話目も長かった……3話と同じくらいかなーと思ってたんですが改めてカウントしてみたらこの4話だけで2万字を超えてましたね。1万字目あたりがちょうどギルダが正体を明かす下りで、これはさすがに途中で切るわけにはいかないな!と思ってたんですがやはりどこかで分けてあった方が親切は親切だろう、とは思います。しかし盛り上がっている下りなので一気呵成に読んでいただきたいという思いもあり……まあ3話も含めてそのうち見直しかけるかもしれません……。
プロット段階での「これは難しそうだ」話、以前の近況ノートのどこかの時点ですっかり話題を締めくくってしまった感がありますが、実はもう一つありましてそれがずばり、今回の裁判の下りです。
裁判! そんなの書いたことねぇ!
となったのですがこれは前回の近況に書いた通り自分で追加すると決めたシーンなので、書くからには腹を括るしかない……というわけで、これについては例えば史劇ものの映画とかでたまに見かけない事もないので、そういうのを観た経験に頼ることに。近作ですとリドリー・スコット監督の「最後の決闘裁判」がまさに中世の裁判を題材にした映画で、そういうのを見てる限りでは裁判というよりは公開弾劾みたいな場で、ディベートがそこそこ成立していれば何とかなるんではないかなー、と、まあこれも大体想像と勢いだけで描き殴ってしまいました。ここまでの近況ノートを辛抱強く読んでくださった方ならお分かりの通り、私はとにかくものを書くにあたって何も調べない人間なのですよ……。
よくよく読み返してみたら北の塔での収監の下りと裁判の下りでギルダの主張としては同じ内容繰り返しているだけでは、という印象もあり、あとから思いついて付け加えたのが暗殺云々という言及。「裁判自体の行方」から「ギルダが誰かを殺害するのかどうか」に読み手の興味をシフトする狙いがあったわけですが、ちゃんと効果が出ていればいいなと思います。色々とややこしい権謀術数の世界のように見えて、伯爵が結局何を企んで立ち回っていたのか、読み返してみると今一つピンぼけというかぽんこつな感じもしないでもない……。
あと、元々ここまでの長編にするつもりではなかったので、クラヴィス王の息子とか王妃とか、かろうじて名前はあるという程度の書き割り的キャラだったのですが、ここまでの展開の中で存在していた気配もないのに突然ぽっと出てくるのもいかがなものか、と思いまして、さかのぼって結婚の経緯など3章途中に挟んだりするうちに元々は兄の方の許嫁だった、みたいな細かい裏設定的なものまで付け足すに至りまして、この辺り書けば書くほど余計な記述が増えていくな―、とちょっと反省した点ではあります。
あともう一点、近衛騎士オーレンについて。2話でギルダ逮捕の折にアルマルクの隊商への伝言を言いつけられて颯爽と国境へ向かったはずなのに、そのオーレンとは逆方向に王都へ向かったアンナマリアの随伴としてしれっと4話の裁判後の広場に登場させてしまったりと、我ながら便利に扱い過ぎだなー、と少し呆れてしまいましたね……ギルダの収監から裁判までの日数経過をあまりはっきり明記していないので、まあギリギリ間に合うのかな?ぐらいにふんわり捉えていただければ。
というわけで、物語は残すところあと1章、2話分を予定しております。構成上、章を分けますが残り2万字程度の予定なので事実上のエピローグ的な下りになるのかも?今しばらくお付き合いいただければと思います。