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なぜ、読み、書くのか

 英国の書評文化を紹介する中で、丸谷才一がおもしろいことを書いている(「快楽としての読書 海外篇」ちくま文庫)。
『しかし紹介とか評価とかよりももつと次元の高い機能もある。それは対象である新刊本をきつかけにして見識と趣味を披露し、知性を刺激し、あはよくば生きる力を更新することである。つまり批評性。読者は究極的にはその批評性の有無によつてこの書評者が信用できるかどうかを判断するのだ。この場合一冊の新刊書をひもといて文明の動向を占ひ、一人の資質と力量を判定しながら世界を眺望するといふ、話の構への大きさが要求されるのは当然だらう』
 丸谷の論からは、はずれるが、この『生きる力を更新すること』という言葉は重い。なぜ、本を読むのか、もしくは書くのかという根源的な理由のひとつに、『生きる力を更新すること』があるように思う。
 ではでは。

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