ひとつ前の『アルメセラ年代記』の話の続きでもあるんですが、なろう系の為政者ってだいたいザマァされるだけの無能な存在として描かれてることが多いですけど、私あれ苦手なんですよね。
どんだけ無能に見えても、国ってそう単純じゃないんですよ。主人公から見えている部分なんてほんの一面。一面を見ただけで全部を分かったような気になって、こんな国、滅んだ方がいい……ってなるの、子供っぽくて好きじゃないんですよね。
どんな国だってその国を維持するのに為政者が頑張った結果で存在してるんですよ。まあ国の状況が明らかに貧困に喘いでいるとか、プー国みたいにディストピアとかならまだわかりますけど、なろう系ファンタジーって市井の暮らしが結構豊かですよね。魔物とか出てる割に。じゃあ、それは為政者が頑張ってる証拠なわけです。
ありがちな為政者に対するザマァとか、無能相手に無双する主人公とかを好むのってなんというかルサンチマン的な感覚に陥っていると思うんですよね。
為政者は主人公一人くらい犠牲にしても他に重要なやるべきことがある状況で下した決断だったのに、その主人公は実は……ってのでやり返されて、国を引っ掻き回されるのは憐れですし、国としても将来的にいろいろ問題起きそうな気がします。