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2020年4月15日の近況報告 スカウターの爆発を例に見る天才の異常性

 本物の天才というのは「新しい表現」でも「昔からあった表現だな」と錯覚させるほどの力を持っています。その最も分かりやすい例は……ドラゴンボールのスカウターでしょう。

 ワンピース世代や鬼滅の刃世代にもわかりやすく解説すると、スカウターとは相手の強さを「戦闘力」という値で数値化する計測機器の一種です。

「戦闘力たったの5か……ゴミめ」とか「私の戦闘力は53万です」はもしかしたら聞いているかもしれません。


 で、このスカウター。計測相手の戦闘力があまりにも高すぎると「爆発する」というとんでもない代物です。

 こんなの普通に考えたら「欠陥商品」以外の何物でもありません。エラーを吐き出したり「計測上限値以上」等と表記すればいいはずで、爆発させる必要は全くありません。

 強敵と会うたびに爆発してたら予備がいくつあっても足りませんし、そもそもこのスカウターって目や耳の近くで使う(詳しくは各自で画像検索してくれ)から爆発のせいで難聴になったり破片が目に入ったらどうすんだ? って話です。


 ですが、そのことに関しては誰も突っ込みません。ごく自然に「爆発するほど戦闘力が高い」と認識していました。

 実際、ジャンプに掲載されていた頃追いかけていた私だって当時はそうでしたし、今でも多くのドラゴンボール世代の中年たちはそう思っているでしょう。中には「爆発は機能の一つとして盛り込まれた仕様だ」とドラゴンボールの議論で爆発に関する正当性を主張してる人だっています。

 本物の天才は「新しい表現を昔からあるように錯覚させる」事例が少しはご理解いただけたでしょうか?

 本物の天才はギリギリ常人でいられる狂人なんだなこれが。

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