拙作「カクテルの紡ぐ恋歌」は、女の人がバーでお酒を飲みながらヤバイ恋話をバーテンダーに語っていく、という体裁の話なのですが、実は、登場するカクテルすべてを知った上で書いていたわけではありません。基本資料としているカクテルの本でレシピを見て、「この材料ならこんな味かなあ」という推測で描写した部分もありました。
ところが、投稿済みの最新話より少し先の方を書いていて、飲んだことのないカクテルをどうしても重要アイテムの一つとして使いたくなりました。登場回数も多くなりそうだし、味がどうのこうのという記述も増えそう。それを想像だけで書いてしまうのはどうも気になる。色合いならネットで画像検索すればそれなりに調べられるけれど、味となるとなかなか……。
それならば、自分で作って味見しちゃえ! というわけで、カクテル作りにチャレンジすることにしました。もともとお酒は好きな方。前々から家でカクテルを作ってみたいなあという憧れはありました。まさに一石二鳥の「趣味」になりそう。
シェイカーは通販で購入し、お話に出てくるカクテルの材料は大きな酒屋さんに行って探しました。メジャーカップは料理用の小さな計量カップで代用。ミキシンググラスはシェイカーのボディを使えばいいや。氷の代わりに棒状の保冷材を使えば安上がり。カクテルグラスはこんど百均で調達するか……。貧乏なので、細かいところは妥協します。
記念すべき第1作は、お話の序章タイトルにもある「マティーニ」にしました。強いお酒だとは分かっていますが、久々に飲むとホントに強烈でした。なんでこんなすさまじいのを主人公の「思い出のカクテル」に設定してしまったんだろう。もう少し可愛げのあるカクテルにすればよかった。うむ、「可愛げのあるカクテル」とは、我ながら面白い表現だ。本編のネタに使おうかな。
などと、しょうもないことを考えていましたら、カクテルにお詳しいかがみ透さま(@kagami-toru)が、「氷の解け具合も美味しさの一つ」と教えて下さいました。早速、透明な氷を使って作り直したところ、急に味がまろやかになり、心底驚きました。バーテンダーさんは氷が解けることも計算して混ぜたり振ったりしてるのか! 「見えない職人芸」を実感できて、二重に感激です。
自作カクテルは、ツイッター(@TsurumakiYou)にUPしてます。自作ゆえのへっぽこな見かけがカワイイ……かも(汗)。これ書いてる時点で、まだ三つしか出してませんm(_ _)m
すでに投稿した部分に登場したカクテルも、どんどん実物を作って味を確かめていこうと思っています。場合によっては、カクテルの記述部分がこっそり変わっているかもしれませんが、そこは素人のご愛敬ということで大目に見てやってくださいませ~m(*^_^*)m
*かがみ透さまの作品「カクテル・バー『J moon』」は、お洒落なバーのママとミュージシャンを夢見る青年を軸に、多様な人間模様と恋愛模様が展開する素敵なお話です。お酒の好きな方と音楽の好きな方には特にオススメです!