拙作、「カクテルの…」の冒頭で、どう見ても(読んでも)洗練された大人の女とはいいがたい主人公がマティーニを好んでいたことをほのめかす部分があるのですが、なぜマティーニなのか。なぜ、もうちょっと飲みやすい甘めのお酒を選ばなかったのか、というお話です。
マティーニは、思いっきり辛口のカクテルです。アルコール度数が40度以上あります。そんな強いお酒は、小柄で童顔という設定の女の人には似合わないのではないか、と思われそうですが、なぜ、そういうアイテムを持ってきたのか。
ずばり、私がマティーニ好きだからです!
といっても、何がきっかけであんなゴツい味のカクテルが好きになったのかは、実は覚えていないのです(覚えていればそれをネタに小説が書けたかも)。
気が付いたら、旧友がバーテンダーとして働くお店に顔を出して、数杯のカクテルをいただいて、最後はマティーニでシメる、というのが「お決まり」になっていました。
もしかすると、マティーニそのものが好き、というよりは、マティーニを飲みに友人の勤めるバーに出入りしていた頃の「古き良き思い出」が好きなのかもしれません。
その友人も今は海外に暮らしていて、もう何年も会っていません。
遠くなってしまった昔を思い出し、カクテルを飲んでた生活に戻りたいなあ、と遠い目になり、そんな調子でお話を作り始めたおかげで、主人公は「小柄で童顔で気が弱そうだけどかなり酒豪」というキャラになってしまいました。