こんにちは。
いつも作品をお読みいただいたり、評価やコメントをくださり、ありがとうございます。
3/1ということで、就活生は忙しくなっている頃かと思います。
(かくいう私もそうですが……)
さて、今回は4作目の『おもいでのわすれもの』の第4話「みたかったけしき」について書いていこうと思います。
まず、最初はホーンテッド・シャトーでの一幕ですね。
エイミとエセルが初めてゆっくりと二人きりで、お話をするところですが、次の展開を考えると、非常に重要なシーンになっています。
アルドは、長い間苦楽を共にしたかけがえのない仲間で、いつでも受け止めてくれて、相手のことを考えてくれる人です。
しかし、アルドの目的をわかっているからこそ、自分のことで迷惑をかけることは避けたい、でもだれかにきいてほしい。
そんな思いがあったうえ、同じように目標にむかって頑張っている状況であるということで、エセルと話していて、思いがあふれてしまったのでしょう。
そして、ここでのエセルの言葉は最後にもつながってきます。
そして、次はトト・ドリームランドの変化のシーンです。
この部分に関しては、お話を書こうと思っていた当初から考えていました。
これが、タイトルにある「みたかったけしき」というわけです。
ここで、走馬燈のように現れる3組のゲストは、お話のなかではだれかは書いていませんが、誰かお分かりいただけたかと思います。
これをみると、メアリーも一概に責めてよいか戸惑うところですね。
ここで、創業者のライマンという男性が出てきます。
これは、『オズの魔法使い』の作者ライマン・フランク・バウムからきています。
最後のシーンですが、このシーンで、エセルがトト・ドリームランドの復興をあきらめきれなかった理由のもうひとつがわかります。
親が忙しくて、子どもの時にさみしい思いをしていたからこその理由です。
そして、同時に、今までのエセルはこのために、必死に我慢して、少し無理をして生きてきたことも分かります。
さらに、エセルの本当の想いや姿をみて、エイミもたまらず自分の本当の想いを吐露します。
これを聞いて、アルドもまた、複雑な思いを抱いていたのではないでしょうか。
エセルはそんな今まで押し殺してきた思いや、隠し続けてきた感情を、このお話のキャッチコピーにしたセリフに込めています。
この後の、エセルの想いの吐露に対し、ライマンもアルドもエイミも、必死に抵抗します。
しかし、本当の気持ちに気付いたエセルは、もはやためらうこともありません。
そして、一番最後のエイミの気持ちがあふれ出すシーンですが、ここを書いているときは、自分としても心苦しい状態の中で書いていました。
エイミの中で何かが外れた瞬間かもしれません。
また、ここでセバスちゃんがいい味を出していますね。
さて、最後にですが、このお話は、「人はだれしも悩みや、色々な思いをもっている」というメッセージをこめながら作りました。
人というのは、色々な思いや悩みを持っていますが、それは他人からも、場合によっては自分すらも気づかないものです。
でも、必ずそういうものはどんな人であっても持っていると思います。
そんな、一見当たり前だけど、当たり前すぎて忘れていることにもう一度気付いていただければと思い、書いた次第です。
エイミやエセルにとって、トト・ドリームランドはまさに「おもいで」であり、エセルはその「おもいでのわすれもの」を取りに来たというわけです。
皆さんには、そういった「おもいでのわすれもの」はございますでしょうか。
さて、これで4作目については、以上にして、次回は5作目『開催! 緑の村の音楽祭!!』について書いていこうと思います。
では、今回はここらへんで……