KAC2023、半月の間に提示される7つのお題に即した小説競作企画にエントリーすることは以前に記事にした。
第1回のお題「本屋」に対し「泥蓮洞主人の横顔」を書いた時点で、今後の方針を次のように仮決めした。「7回全てにエントリーを目指す」「敢えて最小文字数777字縛り」「さくっと書き上げて、できるだけ出題当日に公表する」「可能なら連作となるよう作品間の結びつきを作る」というものだ。「目指す」「敢えて」「できるだけ」「可能なら」と留保付きなのは、私の状況もお題の中身も見えないからだ。
出題は月水金の週3回、今日は第2回「ぬいぐるみ」が提示された。
初回で「舞台は松映」「泥蓮洞を絡ませる」「幻想的作風」の方向性が出たが、第2回のお題でこれを継承できるか、15分ほど頭を巡らせた。その結果、本日3時間あまりかけて(さすがに2時間では無理だった)書き上げたのが、先ほどアップした「送る日」だ。第1回と今後を併せて「シリーズ松映物語」という構えも作った。
即興小説ということで、どうしても長年培った「手癖」の世界になる。舞台のモデルは松江市島根町の加賀潜戸、子供を亡くした親が賽の河原を訪れるモチーフは、若き日に書いた原稿用紙20枚の短編(カクヨム未掲載)とダブる。しかし、あれもこれも書きたいという思いを777字で縛ることで、良い感じになった。一方、潜戸や小泉八雲を知らない読者にどれだけ「この作品だけ」で伝わるか、不安も残るのだよな。小泉八雲に思い至らなくても第1回を読めば話は繋がるようになっている筈だ。
ちなみに、加賀潜戸の賽の河原の洞窟から見た外界の風景はこんな感じ(まさに母胎)。敬虔であるべき場所なので、賽の河原そのものは写真掲載を控えておく。