2巻の執筆も終わったので、長らく放置していた1.5部メルネス編を完結させました。
作中で描いた『求めるならばまず与えよ』というのは、レオだけではなく作者の僕自身も気をつけている事です。
レオとトーマスのようなウン年来の親友なら別かもしれませんが、そうでない場合、なんだかんだ言って人間というのは損得勘定で動いてしまうものだと思います。
率直な話、『こいつに親切にしてもメリットはなさそうだな』……と思われるような人間には、やはり何かが与えられる事は少ないものなのです。
昔(5~6年以上前)の僕はそこを理解しておらず、『畜生! あいつは皆からチヤホヤされているのに、なぜ僕はダメなんだ!』と嫉妬に狂うこともあったのですが、それも当然。
当時の僕は誰かに与えられる事を望むばかりで、自分から誰かに与えようとはしなかったのです。
だからこそ、今は『親切に出来る機会があったらバンバン親切にしていく。誰かが困っていたら、助けになれないか考えてみる』というのを心がけています。結果的に、それが自分の為になると分かっているので。
事実、なるべくそういう風に毎日を送れるよう意識するようになってからは、私生活がちょこっと楽になりました。
困りごとが解決したあなたもハッピー、お礼を言われた私もハッピー。みんなハッピーで毎日が楽しい。
……まあ僕の場合、そこに加えて『好きな人たちにはとにかく幸せになってほしい』という謎のサービス精神がジャンクションされているため、困っていようがいまいが親切の押し売りをしに行くことも多いのですが、それはまた別の話として。
やらない善よりやる偽善、偽善も一生続ければ本物、という言葉があります。打算から出た行動であっても、誰かが心から喜んでくれるなら、それはきっと良いことなのだろうと思っています。
人に親切にすれば、やがては自分に親切が返ってくる。
昔から"日頃の行い"だとか、"情けは人の為ならず"とか言われていますが、まさにその通りですね。多分この法則は、人間社会が存続していく限り、百年後も千年後も変わらないのでしょう。