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作品は作者の鏡……なんだろうね、やっぱり

 なんか、以前も似たようなことを呟いていた気がするのですが、また気になりました。
「作者は、どこまで読者の記憶力に頼ってよいのだろうか?」

 連載作品の話です。
 前に出てきた内容を、読者はどのくらい覚えていてくれるのでしょうか。
 状況によって、まったく違ってくるので、答えなんてない話なんですけどね。

 以前のときは、20万字前に出てきた脇役の再登場でした。
「こいつのことは、皆、忘れているに決まっている!」と思って、きっちり紹介文をつけて再登場させました。

 けれど、今回は9エピソード前に初登場したキャラクターで、約2ヶ月ぶりの再登場です。
 果たして、このキャラクターのことを、読者は覚えているのでしょうか。

 ある指摘を受けて気づいたのですが、どうも私は「絶対、忘れられているに決まっている! だから補足説明を入れておかないと」と、解説しまくる方向に舵を切る癖があるようです。
 これ、私の自信のなさの象徴らしいです。

 ……だって、日々の忙しさの合間を縫って読んでくださる読者の方々に、「えーっと、これ誰だっけ?」とご苦労をかけて思い出させたり、前のページを読み直させたりさせたくないのです。「つっかえる」のはストレスだし。
 それに、分からなくなってきたら、読むのが面倒になってしまって、続きを読んでもらえなくなるかもしれないし……。

 けれど、解説が多いのもストレスです。
 そんなわけで、今回のエピソードは解説を削りました。

 本当に、作品は作者の鏡だなぁ、とつくづく思いました。
 


『di;vine+sin;fonia ~デヴァイン・シンフォニア~』
  https://kakuyomu.jp/works/1177354054881135517

  第七章 星影の境界線で

  5.紡ぎあげられた邂逅ー1

 を、明日、土曜日、朝7時ごろ更新します。
 よろしくお願いします。

※第一部完結まで、毎週土曜日朝7時ごろ、定期更新です。
 近況ノートは、朝寝坊してもいいように(すみません)、前日に上げておきます。

※『ドラゴンブック新世代ファンタジー小説コンテスト』に参加中です。
 今回が、コンテスト期間中最後の更新となります。
 読んでくださった方、応援してくださった方、どうもありがとうございました。
 第一部完結まで書き上げているので、いっそ、期間中に全部投稿してしまうことも考えました。けれど、この作品は既に私のライフワークになりつつあり、のんびりマイペースにいくべきだと判断しました。
 たまにはお祭りに参加したい、というだけの、コンテスト主催者様には非常に失礼な参加の仕方でした。申し訳ございません。そしてありがとうございました。

 毎週投稿のペースで行くと、第一部完結は来年1月末になります。
 長い話ですが、とりあえずは、第一部完結までお付き合いくださると嬉しいです。
 非常に好みが分かれる作品だとは思いますが、ある程度まで読めたならば、第一部完結までは読んで損をさせません。私にしてはあり得ないほどの強気ですが、まぁ……頑張ったのです。

 現在は、第二部第15話目を執筆中です。


 以下、恒例の執筆裏話「制作ノート」です。
(少しネタバレを含むため、スペースを空けます。
 本編のあとにお読みください)











 制作ノート
「ファンルゥ見つけた!」

 第七章は、冒頭こそ悪ガキたちが爽やかに暴れるシーンで始まりましたが、その先は殺伐とした暗い展開や、不穏な謎続きでした。あまりの展開に、思わず、タグに「ダークファンタジー」を追加したくらいです。

 それが、ここにきて、やっと、可愛らしいシーンが入りました。
 ファンルゥの再登場です。

 いただいたご感想に「ファンルゥはどうしているのでしょう?」というものが幾つもあって嬉しかったです。ありがとうございます。

 彼女の名前はタオロンとのシーンでも出てきますが、彼女自身の登場は一瞬(1エピソードしか出ていない)でした。
 なので、読者には、うろ覚えか、忘れられていても仕方ないなぁ、と思っていました。
 そんなわけで、再登場シーンでは、初めはこんな文章が入っていました。

『侵入したとき、この厨房でチョコを家探ししていたファンルゥと偶然、鉢合わせた。ルイフォンは見回りの凶賊のふりをして接し、別れ際に部屋に帰るよう言ったのだが、そのまま寝てしまったのだろうか。』

 思いっきり解説です。
 でも、そうしないと思い出してもらえないと思ったのです。

 しかし、少し前に「解説を入れすぎると、勢いを削いでしまう」と指摘されました。

 いただいたご感想を読むと、どうやらファンルゥのことは忘れられていないみたいです。
 そこで思い切って、解説っぽいところをなくしました。
 すっきりしたと思います。

 指摘してくださった方、ファンルゥへの言葉をくださった方ありがとうございました。

 読者がどこまで覚えていてくれているかを見極めるのって、難しいですね。

5件のコメント

  • 月ノ瀬様のように、登場人物が多いと、久々の登場時にどこまで説明を入れるかどうか、悩んでしまいますよね……。
    私も自信がないので、説明しようとしてしまう方です(><)
  • 綾束さん
     コメントありがとうございます。

     そうなんです! 本当に悩みまくっています!
     やはり皆、そうなんですね。味方(?)がいると嬉しいです!
     ほっとしました。

     ……とはいえ、「見極める目」を養わなければいけないんですよね。
     それよりも、読者に忘れられないような、印象深い書き方を身につけるべき!?
     地道に頑張らないと……。いろいろ、課題が多い……。
  • 春さん
     コメントありがとうございます。

     どこまで覚えてもらっているか、本当に分からないですよね。
     せめて矛盾はないように、その通りだと思います!

     作者も忘れますよね。(ダメなんですけど)
     適当に書いた脇役の特徴をすっぱり忘れ、メイシアが一番始めに喋った門衛と、捕虜になった巨漢の偽警察隊員。ふたりとも「頬に傷のある男」でした……。ああ……。
    (他にもあったけど、投稿前に直した。ほっ)

     私もよく読み返しています。
     PCの右側のほうに執筆中の原稿のエディタ、左のほうに執筆済みの原稿のエディタ(あるいは投稿済みのブラウザ)を並べています。

     ちょうどいい感じの解説、難しいですよね。
     試練です。
  • こんばんは!和泉ユウキです。
    毎週連載お疲れ様です!

    読者の記憶に頼る云々に、結構どきっとしました。
    そうですよね。
    考えてみれば、紙媒体と違ってネット小説だし、更新も不定期だしで、「ここに書いたじゃん」と思っても、覚えているかは曖昧ですよね……。
    私は、後の方だと最低限しか書かない様にしているので、なるほどな、と思ってしまいました。

    そんなことを言いながら、私自身一気に書き上げてしまえばある程度覚えていますけど、間を開けてしまうとすっからかんに忘れていて。
    読んで下さった方のコメントで「あ、そんなことそういえば書いていたな……」とかなること、あります(笑)。

    なので、定期的に読み返したりするのですが、時間が経つと「この文章、恥ずかしい!直したい!」病が始まるので、別の意味でも困ることが多々あります……(笑)。

    これは、きっと永遠の悩みなんだろうな、とも思いました。
  • 和泉さん
     わ、わっ!? 和泉さんだ! 来てくださって嬉しいです。
     コメントありがとうございます。

     毎週連載ですが、書き溜め派なので毎週、貯金を切り崩している状態です。
     遅筆なので、溜めておかないと不安なのです。
    (だから、書き溜めておいて「来週、ちゃんと続き出ますから(見捨てないで! 涙目)」という作戦です)
     そんなわけで、25万字溜め込んで(←我ながらよく溜め込んだ)、毎週ちびりちびりと放出中です。(でも、もう貯金も半分を切ったところです)

     ネットで連載するようになって、「読者の記憶力」が凄く気になるようになりました。
     主人公の容姿はきっちり覚えていてもらえるけれど、「モブとして登場するけど実は重要なキャラ」みたいなキャラクターだったら、登場シーンに細かい容姿を書いても覚えてくれない気がします。
    「コレは重要だな」と思ったことを無意識に選んで、読者は記憶するような気がします。

     よく考えれば、日常生活でもそうなんですよね。
     ニュースで全国の天気予報を見ても、しっかり覚えているのは自分の住んでいる地方だけで、遠い地域はある程度は覚えていても、全部は覚えていない気がします。

    「後の方だと最低限しか書かない」というのは正しい判断だと思います!
     別のサイトでお世話になっている方なのですが、「長期連載を読んでくれる読者なら、その作品を好きで読んでいるので覚えています。もし本当に忘れていて困ったなら、前の部分を読み返してくれるはずです」と言ってくれました。
     目から鱗でした。
    「どうせ忘れられているんだぁ……」とネガティブにならずに、読者を信じる!
     後の方を読んでいるということは、その作品を好きな読者です。余計なことは言わなくとも、以心伝心です。
    「思い出す・読み返すときのヒントになるようなキーワードは、あったほうがいいですけどね」とも言われたので、ちょうど良い塩梅が一番ですけどね。

     あ、作者も忘れますよね。私も同じです。
     書き溜め→放出なので、今投稿しているのは、十ヶ月くらい前に書いたところ。投稿前に読み直すと「……え?」ということが多々あります。

     そして、直したくなりますよね。
     といいますか、私の場合は投稿前なので、直しまくっています。

    「物書きあるある」和泉さんのお話が聞けて楽しかったです。
     私の近況ノートは、後半では宣伝と裏話をやっていますが、前半は拙作をまるで知らない人が読んでも分かるように書いているので、お気軽にお越しください。

    (というか、既に30万字超えた作品の宣伝をしたところで、近況ノートに「更新しました!」と書いても新しく読み始めようという人はいないだろう、と。
     それよりも、誰でも分かるような話を書いたほうが楽しいだろうなーと、拙作を読んでない人向けの近況ノートなのです)
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