小説を書いていると、自分ではとても言えないような台詞を書くことがあります。
いえ、【書かなければならない】ことが、あります。
とあるシーンにて。
私は、至極、現実的な台詞を主人公に言わせました。
そして、それをいつも添削してくれる友人氏に読んでもらいました。
すると……ものすごい剣幕で怒られました。
「なんで、ここで主人公が、こんな残念なことを言うわけ!?
あり得ない!
ここ、見せ場だよね? ここでキメなきゃ駄目だよね!?
こんな小説、読みたくないよォォォ!」
(注:多少オーバーにしてあります)
私は「いやいや、まぁまぁ」と、なだめます。
「ここでカッコいい台詞を言うってのもありだと思うけど、でも現実的に考えて、ここはこう言ったほうが、警戒されずにスムーズにいくでしょ?」
「ちがぁぁぁう!
小説はね、エンターテインメントなわけ?
娯楽なんだよ。分かる?
いくら現実ではこうだからと言って、小説でも同じにしなくていいんだよ。
むしろ、小説だからこそ、現実ではあり得ない夢を見せるべきだ!
一種の現実逃避ね? 夢!
現実の自分が、クサい台詞を言うか、言わないか、じゃない。
主人公に言わせるだけだ」
(注:多少オーバーにしてあります)
……確かに。ごもっともです。
そんなわけで、主人公の台詞がクサいです。
(『残念な台詞』は、このページの下のほうで裏話として書いてあります。
拙作を読んでいない方(が、ここを読んでいるか分かりませんが)も、気になったらどうぞ! 一応、分かるように書いておきました!)
『di;vine+sin;fonia ~デヴァイン・シンフォニア~』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881135517 第七章 星影の境界線で
3.すれ違いの光と影ー2
を、明日、土曜日、朝7時ごろ更新します。
よろしくお願いします。
※第一部完結まで、毎週土曜日朝7時ごろ、定期更新です。
近況ノートは、朝寝坊してもいいように(すみません)、前日に上げておきます。
※『ドラゴンブック新世代ファンタジー小説コンテスト』に参加中です。
いつも読んでくださる方々、通りすがりで読んでくださった方々、どうもありがとうございます。
参加表明&宣伝文句の近況ノートはこちらです。→
https://kakuyomu.jp/users/NaN/news/1177354054886013445 こんな(↑)スタンスで参加しています。
以下、恒例の執筆裏話「制作ノート」です。
(少しネタバレを含むため、スペースを空けます。
本編のあとにお読みください)
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制作ノート
「ちわーっす。○○警備会社の者です」
【拙作を知らない方へ、大雑把なあらすじ】
ヒロインが「お父さんが悪者に捕まってしまったの。助けて」と、主人公のもとを訪れます(初対面)。
いろいろあって、主人公とヒロインは恋人同士になります。(あれ、お父さん捕まったままなのに?)
そして、いよいよ、主人公がヒロインのお父さんを助け出す、というシーンです。
その第一声!
「ちわーっす。○○警備会社の者です。お嬢さんに頼まれて、あなたを助けに来ました!」
これを読んで、添削をしてくれている友人氏は激怒しました。(上記の通り)
心を入れ替えて書き直し、投稿した原稿は、これです。
■■→主人公の名前
●●→ヒロインの名前
「はじめまして。俺は■■と申します。あなたのお嬢さんの●●――さんに頼まれて……」
そこまで言って、■■は首を振り、顔を上げた。癖のある前髪がふわりと揺れて、鋭く力強い眼差しが[ヒロインの父の名前]を捕らえる。
「――そうじゃない。『俺が』、あなたを●●に逢わせたいから、あなたを助けに来たんだ。あなたのことは必ず守るから、俺と一緒に来てほしい」
………………。
クサい台詞のほうが、映えると思います。
たぶん、こちらで正解。たぶん……。
でも、初稿を書いたときの私としては「絶対に失敗できない作戦を、確実に成功させるために、ヒロインの父が安心できるようなことを言うべき」だと思ったんですよね。
冷静に考えて、見たこともない男が、いきなり「お嬢さんの恋人です。助けに来ました」なんて言ったら、むちゃくちゃ怪しいじゃないですか! ついていきませんよね!?
……これは、エンターテインメント。
今までも、時間と空間的に無理な展開もあったし(第三章参照)、小説なんだから、すべてが現実的でなくてもよいはず……たぶん。
だって、やはり、読んでいてワクワクするほうが楽しいから。
間違っても、私がクサい台詞が好きだ、というわけではありません!
(これを言いたかった)