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「虚言託宣」の裏話

今回のエピソードは応援コメントへの返信でも書いた通り、とある人物の登場が主目的でした。

その人物とは、最後に鬼子母神によって誘拐されてしまった幼い女児。楊家の四女、名を玉環。
この楊玉環については、文献におおよそ以下のような記載があります。

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楊玉環は幼少時、蜀に住んでいた。ある時、張と名乗る占い師に出会い、「いずれ皇后に並ぶ地位を得るだろう」と予言された。従兄の楊釗もまた「いずれ長くこの国の実権を握るであろう」と予言された。
またある時、遊んでいる最中に池に落ちて溺れたことがある。後世、その池は「落妃池」と呼ばれるようになった。
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もうお分かりとは思いますが、楊玉環とは後に玄宗皇帝の寵愛を受け、傾国の美女となった楊貴妃のことです。

李白は蜀を放浪し、そして楊貴妃は蜀の出身……となれば、二人がその頃に出会っていたとしてもおかしくないのでは!? ――という妄想を形にしてみました。
「太白輝星」にて張姓の占い師を登場させたのは今回のための仕込みでした。下手すると張看星の役目は今回の追い剥ぎ被害と冤罪を被った状態で終わりです(酷い)。……いや流石に救済を考えてやった方がいいかな。

「落妃池」の件は次の話で登場する予定です。
鬼子母神に誘拐されてしまった玉環、果たしてどうなってしまうのか?

さて、今回はもう一人新たな登場人物がいました。縦横家、趙蕤です。
そもそも東巌子という人物、「李白と共に岷山に隠棲した」とだけ紹介されておりその正体がはっきりしない。
ならば好き勝手に人物像を創作してもいいよね! ――と思って好き勝手にあんな設定にしていたのですが。

とある文献に「東巌子とは趙蕤のことであろう」と記載されているのを発見しましてね。
ええ、超焦りましたよ。それも李白の妹・月圓の存在を知ったのとほぼ同時期でしたし。予想外の情報が一気に二つ飛び出してきたわけです。

もちろんその情報を無視しておくこともできましたが、ここは敢えて「同じく東巌子の号を持つ隠者」として登場させることにしました。
これをどう整合性を取りつつまとめるかは、今後のお話にて。といってもおそらくは外伝になりそうです。なので、一旦は忘れていただいて構いません。

それにしても、もうすぐ終盤へ向けて話が進んでいこうとしているときに新キャラを二人も登場させるとか作者の頭は大丈夫なのでしょうか……。

次回はまた一週間の準備期間を頂き、9月11日からまた連載開始です。
タイトルは「謀攻兵法」。乞うご期待!

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