三年前、カクヨムがオープンするというニュースは……あれ、デジャヴュ~?
などという下手なボケは置いておいて、後半のお題について裏話をしたいと思います。
十のお題すべてに応えましたよ! 皆勤賞です! 何らかミスしていなければ!(←
■「本日は五時で閉店です」:お題「最後の3分間」
これも最初は別のネタで書こうとしていました。ただあまりにも実話に寄りすぎてしまうのと、個人的にその話を安易に使ってしまうのはどうしても気が引けてしまい、無理やり別にストーリーをひねり出したのが今作です。
正直なところ、何度「白帯大将わるあがき」をマイナーチェンジして新作と偽ってやろうかと考えたか知れません。
私が「3分間」といわれて思い浮かべるのは、やっぱり試合時間ですから。
しかしどうにも現代を舞台にした話は苦手ですね。現代人がどんなことを考えながら日々を生きているのかよくわかりません(←
■「碧狼奇譚」:お題「最高の目覚め」
三日目のお題「シチュエーションラブコメ」で書いた「求愛求敗」。そこに登場した敵役、碧眼貪狼が主人公です。
当初はただ急ごしらえした都合の良い端役でしたが。冷静に考えて、彼は「閃剣」に敗北し、命乞いをして生き延び、約束のために五年間身を慎みながら修行に励み、そしていざ再戦しようとした矢先に頭のオカシイ小娘に撃退されるという「とても可哀想」な人間なんですよね。
噛ませ犬にしても憐れすぎる……そう思っていたところで、このお題。
悪人としての過去を捨て去り、善人として生まれ変わる、そういう話にしてみようと書いてみたのが今作です。コメントで指摘されていたゲド戦記との類似性は、言われてから気づきました。
古月作品にしては珍しく、「一度は悪事に手を染めたのに改心することで許された人物」となりました。いつもなら「だが罪は罪だ、死ね」になります。
■「三年越しの殺意」:お題「3周年」
わかっています。運営がこのキーワードに込めた期待は、明るい物語であると……。
ですが私は普段が中華風作品を書いている身の上、どうしても「三年の喪」が最初に思い浮かんでしまう(極端)。
思い浮かんでしまったなら、もうそれでしかネタが浮かばないのです。
かくしてこのおぞましい話が出来上がりました。作者が言うなって話ですが、こんな結末をいったい誰が望むというのか。
主人公が結局その後どんな行動に出たのかは、読者の思うが儘にというスタンスです。
武夷茶は実際に高級茶として珍重されていたようです。急ごしらえの調査なので時代考証はわりと雑ですが。
■「三天走路恭喜婚礼」:お題「おめでとう」
だからですね、これは作者の経験や過去とは関係ないんです。関係ないんですってば!
だって私はこの作品の主人公みたいに素直には「おめでとう」と言えなかったクズ人間なんですから!
……この話はやめましょう、ええ。
元はもっとギャグ要素を入れるつもりでした。いうなれば「わらしべ長者」。
旅路を急ぐ主人公、その途上で何人もの困った人々を見かけ、ついつい義侠心で助けてしまう。するとお礼に受け取った品があれよあれよと山のような祝いの品になってしまい、金陵に到着するころには誰にも負けない祝賀ぶり。それを見た義兄弟に「そんなにも私たちを祝ってくれるのか!」と喜ばれ、主人公は諦めて祝いを述べる――というもの。
明らかに文字数制限をオーバーするとわかりきっていたので、削りましたw
その結果、ちょっとイイ話感が出てしまったようで……あの、はい、なんかすみません。
■「この世界にたった一人だけ」:お題「『カタリ』or『バーグさん』」
これが一番難しかった。なにせ何もネタが出てこない。
なぜでしょう? すでにキャラクターが決まっていて、話の都合に合わせて人格を作れないから?
ある種の二次創作みたいだなと思いつつ、そうなると二次創作SSなど書かれている方々はすごいなとも思ったり。
何気にこの二人のキャラ、設定上ではあまり接点がなさそうに見えるんですよね。方や書き手側に寄っていて、方や読者側に寄っているような。いっそ一方だけが登場する話にしてもいいかなーと思いつつも、やっぱり二人とも出したいところ。あとトリ。
で、こんな話になりました。深夜テンションの間に公開しておいてよかったと思います。なんかよくわからんが冷静に読むと小っ恥ずかしいぞこれw
「二十年あればバカでも傑作小説が書ける」のセリフはイラスト担当にぜひ入れろと言われてやりました。私自身は元ネタがわかっていません。
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ここから少しだけ総括的な話をば。
私は物語の基本を「課題や葛藤があり、主人公はそれを自力で克服する」だと思っています。それは長編でも短編でも変わらないとも。説教臭くなるのがややアレですが。
今回の十のお題についてもその辺りは意識して書いたつもりです。
一作だけ、「机上の空論」は物事の解決を偶然に頼っており、この基本に沿っていなかったなと反省しています。
応援、評価いただいた方には感謝しております。が、他作品と比べてみるとこれだけ特に反応が少ないのは、おそらくはそういうことなのだろうと。
それから、今回は主に「現代ドラマ」「歴史・伝奇」の2ジャンルで作品を書きましたが、やはり私には後者のジャンルが合っていると再認識しました。
現代を舞台に書けなくもないけれど、どうにも筆が鈍ると言いますか。書き慣れない感覚があります。
書き手の技能としてはジャンルを跨いでも書けるべきなのでしょうが、「短時間でそれなりの出来映え」を狙うとなると、やはり私には武侠なのかな、と。
あと「意識しないととことん暗い話になりがち」ってところ!
今回どれだけシリアスな話ばっかりだよ! と反省しています。
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ここからはまったくの余談。
実はこの企画期間中、どの時期とまでは明かしませんが、また中国に旅行に行っていました。
日中は名勝古刹を見て回り、その移動中は旅行記としてのメモを取り、夜は翌日に向けて休息を取る――はずが。ホテルに帰ってから急いでお題に沿った作品を練って書く、という状況が発生しました。
ネタを考えるだけでも大変なのに、この状況は本当に辛かったですw ちなみに中国からは二作品投稿することになりました。
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そして帰国後も公募用に準備していた原稿の最終調整&発送作業に追われ、三月最終週は毎晩が時間との戦いになっていました。加えて本業も年度末進行でヤバい量のタスクが降って来るし。
公募原稿はプリンターのインク切れに怯えながらもなんとか発送できました。
ともあれ、これで数々の重荷を下ろすことができ、今は大きく深呼吸しているような状態です。
これからまずは、ほとんど見て回れていないKAC投稿作を読むとしましょう。7日目までのお題が集計を終了しているようなので、8日目以降を優先的に。それから新作あるいは剣侠李白の執筆に移りたいと思います。
長くなりましたね。それではまた。