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岷山隠棲、第四、五節を公開しました

ここから数回は羅錦威による回想が続きます。
中天幇会にいったい何が起こったのか――。

閬中の街は実在する都市です。旅行ガイドブックにも張飛所縁の土地として紹介されています。
中天楼なる建物も唐時代に建立されたものとして実在するものです。
が、中天幇会なる組織は存在しません。あくまで本作における創作です。

幇会の構成や役職についてはこれといった資料がないため、既存の武侠小説からの推測となります。
幇主、塞主は組織のリーダー。舵主、香主は幹部です。

少し前に「武則天」のドラマが中国で放送されたのですが、その際にある指摘がありました。
それは「唐時代に存在しないはずの紐綴りの書が登場した」こと。唐時代では巻物が主流だったのです。
「戴天道士」で紅袍賢人の武芸書が登場しますが、これが巻物として表現されていたのはこのためです。

参考)
ファン・ビンビン主演「武則天」=唐代に「糸とじ本」?時代考証の甘さ指摘―中国
http://www.recordchina.co.jp/b84019-s0-c70.html

さて、では手紙は? となるとこれがわからない。
上奏文のような公的文書ならばまだしも、大した分量のない私信でも巻物なのか? いやいや、さすがにそんなことはあるまい。
というわけで、ここでは「幾重にも折りたたまれ冊子のようになった紙」としました。
歴史に詳しい方がいらっしゃいましたらご指摘ください。

手紙の中身として登場した単語「勾結」とは、中国語で「結託する」の意味です。
「魔教勾結」で「魔教の者と結託し~」などと使われます。
自分で書いておきながらアレですが、なぜそんなわかりづらい語を選んだのでしょうね私は。

今回のノートはここまで。
次回、羅錦威が閬中の街中を駆け回ります。乞うご期待。

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