ガーベラ会戦11月9日、午後四時頃の状況
ケイマン軍が再編成して、帝国軍第五線陣地への攻勢を開始した時点の状況。
帝国軍の降雨魔法による土砂降りはやや小降りになっているが、降雨は継続している。
ケイマン軍の攻勢は第一軍団であり、特に臨時配属された第一親衛歩兵大隊と親衛騎兵大隊である。
第一親衛大隊にはアハティサーリ大隊(ハロネン大隊の残余を吸収して拡大大隊規模)が後続。
更に親衛騎兵大隊、第一騎兵旅団と続いている。
第一親衛大隊の両側には、第一歩兵師団と第二歩兵師団の残った重装歩兵が、それぞれの第一大隊に集結して配置されている。
それぞれの重装歩兵大隊にはそれぞれ二個の通常歩兵大隊が続く。
また、第五線に突撃する部隊の他に、両側にそれぞれ四個大隊が配置され、側面、モーラン旅団やタルフォート旅団への攻撃を担当する。
第一歩兵師団、第二歩兵師団の残りの重装歩兵大隊は、損害過多のため、後方で休養中である。
これらの大隊は本来ならばケイマン商人の仮設村など、より後方に退却させるべき存在だが、重装歩兵大隊が、後方に退却するのは全軍の士気の問題になるため、前線近くで治療と休養となっている。
図ではXでマークされた大隊は戦闘能力を喪失したものである。
攻勢の主体を担ってきた第一軍団では通常歩兵部隊の損害も多く、二個大隊相当が失われている。
ケイマン第二軍団、第三軍団も第一軍団の突撃に併せて攻撃を行うよう命令されている。
ただし、第二軍団の第三歩兵師団では第五歩兵旅団が損害のため再編成中である。
第五歩兵旅団はたった一回の攻勢で、二個大隊相当の兵員を損耗しており、第三歩兵師団長は、攻勢は無謀だと考えている。
後がない帝国軍は最終決戦に進んでいる。
クロスハウゼン旅団は第五線、第六線死守の構えであり、ベーグム師団は第一歩兵連隊他の反撃部隊を集結中。
カンナギ中隊はヘロン河を遡行中である。